好美のぼる「廃屋の眼」(220円/1968年頃?)



「久美子は、隣の廃屋から見られているような気がして仕方がない。
 この廃屋は医者の持ち家だったが、一家全員、行方不明になり、空き家になっていた。
 久美子の父親は廃屋を買い取り、潰すと聞き、久美子は友人とこっそり探検に行く。
 二階から誰かの声が聞こえてくるが、怯えてしまい、結局、確認できずじまい。
 そこで、飼い犬のチャッピーに廃屋を探らせる。
 チャッピーは廃屋の二階から手紙を持って来るが、それには「目力けて おねがいだから 目力けて」と書かれてあった。
 チャッピーに促され、久美子が廃屋の二階に行くと、一人の少女が布団に臥せていた。
 久美子が手紙の意味を尋ねると、それは「助けて」という意味で、少女には眼球がなかった。
 少女は、父を捜すために、眼球を見つけるよう、久美子に頼む。
 久美子は躊躇するが、少女は、チャッピーが眼のある場所に案内すると強引に迫る。
 少女の口ぶりからすると、チャッピーには少女に対して何らかの責任があるらしい。
 久美子は少女の眼を捜すこととなり、チャッピーと共に目的地に向かう。
 目的地の家では奇妙な男が現れ、目玉を受け取れと言うと、いつの間にか、彼女の膝に目玉がついてしまう。
 混乱しながらも、久美子は少女のもとに戻るのだが…」

 メチャクチャな話です。
 一応、ラストで謎を解明してはおりますが、納得できる人はどれだけいるのでしょうか?
 あと、ヤバい要素があり、愛犬家の方にはお勧めできません。
 気になったのが、コマ割りの一部が直線でなく、曲線でしているところ
 ちょっとした挑戦だったのかもしれませんが、単に読みにくいだけで、失敗だと思います。

・備考
 ある親切な方から貴重な御本をお借りしました。本当にありがとうございます。借りたものですので、問い合わせをされましても、答えられないことが多いと思います。ご了承ください。

2021年12月23日 ページ作成・執筆

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