西たけろう「十三面少女」(220円)
「人気絶頂の歌手、緑川雪子。
ミチは顔は緑川雪子と瓜二つであるものの、酒浸りの父、病弱な母のため、放課後は花売り娘をするという悲惨な境遇。
ある日の放課後、ミチは見知らぬ女性から、声をかけられる。
女性は、この「不思議な花の種」を飲めば、ミチが憧れる緑川雪子になれると言う。
女性はミチに花の種を半ば強引に渡すと、数歩歩いて、倒れる。その死に顔は老婆のものだった。
ミチはその場から逃げ出し、帰宅したミチは、 自分の部屋で試しに花の種を飲んでみる。
そこへ酒乱の父が現れ、暴力を振るわれたミチは父親に「死んでしまえばいい」と口を滑らしてしまう。
逆上した父親にミチは追いかけられるが、道路で車にはねられ、父親は死亡。
途方に暮れたミチは当てもなくさ迷い歩いていると、突然、ある屋敷に連れ込まれる。
そこは緑川雪子の屋敷であった。
使用人達も、劇場関係者もミチのことを少しも疑わず、本人と思い込んでいる。
ミチが緑川雪子の私室にいるところへ、本物の緑川雪子が帰ってくる。
ミチは「本物」の緑川雪子になり代わるために、緑川雪子を壺で殴り殺すのであった。
誰からも怪しまれずに、緑川雪子になりすますことができたミチであったが、彼女に異変が起きたことにマネージャーは気付く。
ミチには影がなかったのであった。
そして、ミチの周囲では、奇怪な出来事が起きるようになる…」
どうもこの作品を描く時には余裕というものがなかったようです。
絵もストーリーもかなり雑でして、描きとばしている印象大です。
そのために、バッド・トリップを思わせる、ワケのわからない描写(カ○ワと化していく未来の自分に会う描写等)があるのが、西先生にしては、珍しいかもしれません。
・備考
ビニールカバー貼り付け。綴じ糸あり。表紙の裏側と、巻末に本を広げた時にできたと思しき破れあり。pp71〜73、目立つシミあり。pp9・10の下部、コマにかかる小裂け。
平成27年10月24日 ページ作成・執筆