北沢しげる「まだらの十字架」(220円)



「船乗りだった父親の死後、身寄りのないアンナは、港の居酒屋に売られ、日々、こき使われていた。
 そういう境遇にも関わらず、彼女は、屋根裏部屋に住む老婆に親切にする。
 ある夜、老婆は、自分の死期が近いことを悟り、アンナに逃げるよう勧める。
 老婆は星を見て、北西の方向に幸運が待っていると占い、船員を募集している船があることを教える。
 その後、居酒屋の主人に暴力を受け、老婆は瀕死となる。
 今わの際に、老婆はアンナに、まだらの十字架を形見として渡す。
 老婆に言われた通り、アンナは居酒屋を脱け出し、アランと名乗って、ギル船長の船に乗り込む。
 だが、もう一人、少年が船に乗り込みたいと申し出る。
 船長は最初を断るものの、総督代理に頼まれ、しぶしぶ了承。
 船内で、アンナは少年と同室になり、女性であることがばれてしまう。
 彼は彼女の秘密を守ってくれるが、彼には船に乗り込んだ目的があった。
 彼の父親、フィリップは、この船の前の船長で、もうこの世にはいないらしい。
 また、アンナの父親は、フィリップ船長の部下であった。
 二人は協力して、この船の積み荷の秘密に迫るのだが、二人の運命は…?」

 「まだらの十字架」というタイトルなので、十字架が活躍するのかと思いきや、そんなシーンはほとんどありません。
 最初の方で、自動追尾機能のシーン(右端の画像を参照のこと)があって期待したのですが…。
 でも、まあ、北沢しげる先生の作品ですので、丁寧に描かれており、面白いです。
 北沢先生の美少女、いいなあ〜。

・備考
 ビニールカバー貼り付け、また、それによる歪みあり。糸綴じあり。前後の見開き、ノドに紙テープの補強あり。後ろの遊び紙に書き込みと貸出票の剥がし痕あり。

2021年2月23日 ページ作成・執筆

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