鈴原研一郎/戸塚かずのり「ルミを追う影」(220円)



 収録作品

・鈴原研一郎「ルミを追う影」
「ルミはスリラー大好き少女
 ある夏の夜、寝苦しさに耐えかね、彼女はベランダで寝る。
 すると、近くの20号室で、そこに住む夫婦が、宝石を密輸した船員を殺す場面を目撃。
 驚きでジョロをひっくり返すも、どうにか気付かれず、彼女はベランダから脱け出す。
 だが、母親に殺人を知らせても、全く信用してくれず、夜勤から帰宅した父親はカンカンに怒る始末。
 意を決し、彼女は警察へと出向くが、そこでも全く信じてくれず、それどころか、20号の女性に、彼女が目撃者であることが知られてしまう。
 更に、ジョロの汚水を浴びたことから、ルミは眼病を発症し、眼を包帯で覆われ、何も見えない状態に。
 父親は夜勤、母親は親戚から急な電報で呼び出され、ルミは部屋に一人で残される。
 そんな彼女に近付く、何者かの影…」

・戸塚かずのり「影の少女」
「石坂という青年はある夜、奇妙な娘に出会う。
 彼女はうつろな表情のまま、壊れた橋へ歩いて行き、そのまま落下。
 彼は彼女を助けるが、彼女は黒岩美紗子という、資産家の娘であった。
 彼女のことが気になり、彼は彼女の屋敷を訪ねる。
 そこで、彼は彼女から奇怪な話を聞く。
 彼女は「のろわれた家系の娘」で、血縁の者は皆、先祖の声が聞こえると言って、自殺したという。
 昨晩も、彼女は、母親の声に導かれ、川へと身を投げたのであった。
 その後、彼は彼女が塔から投身自殺をしたという連絡を受ける。
 これでこの事件は終わりかと思われたが…」

 鈴原研一郎先生「ルミを追う影」は、雑誌で掲載された作品をまとめたのではないでしょうか?(コマの並びがあまりに不自然です。)
 目の見えない少女が命を狙われるというストーリーで、緊迫感があって、面白かったです。
 戸塚かずのり「影の少女」は、絵柄は新人の域を出ていませんが、雰囲気があって、いいと思います。
 ヒロインの目付きが味わい深いなあ〜。

・備考
 カバー貼り付け、あと、背表紙色褪せ&ボロボロ。前後の遊び紙、貼り付け。綴じ、一部外れ。

2020年12月20日 ページ作成・執筆

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