北沢しげる「悪魔が眠るとき」(220円)

「冬の夕暮れ、人里離れた古城に、人形遣いの老人が一夜の宿を求め、訪れる。
 その古城には、城主で男爵の博士、助手のディーン、小間使いのアンナの三人が住んでいた。
 博士は、老人を追い返すように言うが、ディーンとアンナの口添えにより、老人は城に泊まることとなる。
 その夜、人相の悪い二人連れが城に馬車でやって来る。
 彼らは死体泥棒で、急死した力自慢の見世物芸人の死体を運んできたのだった。
 早速、博士はその死体を使い、実験を始める。
 博士の実験の目的は、死体の蘇生であった。
 実験はうまく運ぶが、脳がダメージを受けていて、このままでは成功とは言えない。
 そこへ、捕えられた死体泥棒の自白を聞いた村人達が城内になだれ込んでくる。
 この騒動に巻き込まれ、旅の老人は、暴徒と化した村人達によりリンチに遭い、死亡。
 博士は、この老人の脳を蘇生させた死体に入れることにする…」

 当時の売れっ子作家だっただけのことはありまして、北沢しげる先生の怪奇マンガはどれも安定した出来であります。
 この作品も良作なのですが、この作品のリメイクが、立風書房のレモンコミックスから「夜歩く死体」のタイトルで出ておりまして、こちらの方がより充実していると思います。
(表紙がちとイロモノなのが、残念なのですが…内容は本当にいいんですよ!!)
 貸本マンガの方は入手はなかなか難しいとは思いますが、レモンコミックスの方は入手はまだまだ可能ですので、興味ある方はどうぞ。

 ちなみに、このマンガ、粗筋を読めば、一目瞭然ですが、元ネタは「フランケンシュタイン」です。
 この時代に日本公開されたものだと、ハマー映画の「フランケンシュタインの逆襲」(1957年)、「フランケンシュタインの復讐」(1958年)、「フランケンシュタインの怒り」(1964年)とありますが、知識として知っているだけで、どれも未見なのであります。
(「フランケンシュタイン 死美人の復讐」(1967年)は観たことありますが、このマンガとは関係ないですよね。)
 どの映画が影響を与えたのか、機会があれば、チェックしてみたいものであります。

・備考
 巻末に貸出票を貼り付けていたテープ痕あり。後ろの遊び紙折れ。

2015年8月16日 ページ作成・執筆

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