檜乃坂耀季
「暁の屍狩@」(2021年3月9日第1刷発行)
「暁の屍狩A」(2021年10月8日第1刷発行)

・「第1話 渇き」(単行本@/2020年「別冊少年マガジン」11月号)
「潮崎朝都はある高校の一年生男子。
 雪の降る晩、白髪で半裸の少女のモンスターに出会い、血を吸われて殺される。
 翌日、家の玄関で目覚め、それは夢かと思っていたが、彼の体にはそのモンスターの片目が寄生していた。
 彼は血を見ると、凄まじい衝動を感じ、どうにか抑えつけたものの、何もとらないでいると腸(はらわた)が溶けていく。
 現実を受け入れられずに夜の公園で彼が一人、血を吐いていると、あのモンスターが再び姿を現す。
 モンスターの名はイブ。
 イブに抱かれ、朝都は死を迎えつつあったが…」

・「第2話 肉の檻」(単行本@/2020年「別冊少年マガジン」12月号)
「朝都は体にイブの肋骨を埋め込まれ、生き返る代わりに「屍徒」(人の血肉を糧に生きる生き物)となる。
 だが、彼は「屍徒狩り」に捕まり、一室に拘束される。
 彼と対峙するのは間宮炯(まみや・けい)という男で、彼はイブとそっくりであった。
 間宮は「屍徒」について朝都に説明した後、ある提案をする。
 それは、朝都がイブの力を抑え、理性を保つことができるのなら、今まで通りに普通の生活を送れるというのだが…」

・「第3話 腐った肉の化け物」(単行本@/2021年「別冊少年マガジン」1月号)
「朝都は普通の学校生活に戻り、長年憧れてきた風巻雪羽との間にできた溝を埋めようとする。
 しかし、間宮炯と周防彪子(すおう・ひょうこ)が学校にまで押しかけてきて、彼の目論見はあっさり潰える。
 周防彪子は「葬儀屋」第109支店の副支店長で、朝都に血液の成分に似せて作った錠剤を持ってくる。
 この錠剤は屍徒の血の副作用に対する解毒剤で、これさえ飲んでおけば、人の血肉を求めることはない。
 ただし、その代わりに、朝都は屍徒狩りに協力するよう求められる…」

・「第4話 不条理」(単行本@/2021年「別冊少年マガジン」2月号)
「朝都は間宮と周防から呼び出しを受ける。
 彼は屍徒を殺したショックからまだ回復してなかったものの、錠剤を手に入れるためには協力せざるを得ない。
 朝都と間宮が向かったのは廃ビルで、そこで生活をしていた浮浪者が十八人、屍徒と化していた。
 一人も残さず殺すよう命令されるが、人を殺しているという意識から逃れられず、間宮から役立たずと罵られる。
 だが、一人の少年を助けたことから…」

・「第5話 灼熱の猛撃」(単行本@/2021年「別冊少年マガジン」3月号)
「朝都がビルの屋上で会ったのは、骨の数だけ存在するイブのうちの一人であった。
 イブは朝都の中に自分の仲間がいるのに憤り、彼の体から奪おうとするが、すんでのところを間宮に助けられる。
 このままでは殺されるのは必至だが、間宮は朝都にイブを倒す方法を話す。
 イブを倒すには「紅い骨」を抜き取ればいいのだが、その手段とは…?」

・「第6話 生涯最低の気分」(単行本A/2021年「別冊少年マガジン」4月号)
「間宮の作戦はあと一歩でイブを倒すに至らず、手負いのイブは狂暴化する。
 しかも、「紅い骨」は腰椎の一部で、狙いを定めるのが困難であった。
 このままでは埒が明かず、朝都は捨て身の行動に出る…」

・「第7話 死と人と」(単行本A/2021年「別冊少年マガジン」5月号)
「戦いの後、朝都と間宮は廃ビルで『葬儀屋』としての仕事をする。
 帰る途中、朝都はイブの骨が保管された銀の箱を見て、ある疑問を抱く。
 イブの骨は銀の箱で封印されているはずなのに、何故、この世に出ているのだろか?
 周防によると、イブを復活させ、その血を万能薬として売る「墓荒らし」という組織があるという。
 そして、彼らが追っているのはその組織から逃げ出したイブであった…」

・「第8話 チョコかイチゴか」(単行本A/2021年「別冊少年マガジン」6月号)
「大和美桜は小さい頃、徐々に体が弱っていく、原因不明の病気にかかる。
 どの医者にも手の施しようがなく、美桜の母親は病気を治す奇跡で知られる新興宗教「聖心友愛会」にすがる。
 そこで美桜は「紅い骨」を頸椎に移植され、病気が治る代わりに、怪物となる。
 以来、彼女は「暗殺者」として教団のために働いてきた。
 高校生彼女は自分の身の上を忌み嫌い、他の人に心を打ち明けることなどできない。
 そう思っていた時、高校で彼女に風巻雪羽という少女が話しかけてくる。
 そして、雪羽をきっかけに、朝都とも知り合い…」

・「第9話 崩壊」(単行本A/2021年「別冊少年マガジン」7月号)
「朝都は周防より聖心友愛会の本拠地への潜入を命じられる。
 だが、そこで彼は美桜とばったり会ってしまう。
 美桜は朝都が嘘をついていることを知り、疑心暗鬼の虜となってしまい…」

・「第10話 特別な人」(単行本A/2021年「別冊少年マガジン」8月号)
「朝都は美桜をお茶に誘い、自分が彼女の「紅い骨」を回収する任務を帯びていることを打ち明ける。
 そして、彼は彼女に町を出ていくよう懇願する。
 彼への侮蔑を抱きつつも、彼女の胸の内では…」

・「第11話 それぞれの選択」(単行本A/2021年「別冊少年マガジン」9月号)
「朝都の行動により、雪羽は聖心友愛会に拉致されてしまう。
 彼は一人でも助けに行こうとするが、周防は彼に決断するよう突き付ける。
 誰を助けて、誰を殺すか?
 同じ質問は美桜にも突き付けられていた…」

・「最終話 君が来るまで」(単行本A/2021年「別冊少年マガジン」10月号)
「朝都と美桜の対決。
 その後、本部は炎に包まれ、焼け跡からは複数の死体が発見される。
 朝都、美桜、雪羽の運命は…?」

 青春ものの入った吸血鬼(不死者)ホラーといったらいいのでしょうか?
 残念ながら、打ち切りになった模様で、伏線を回収できずに、説明不足が多いところが難点です。(朝都を襲ったイブの正体、間宮炯の過去、等)
 でも、ストーリーは良く、打ち切りにしてはラストをうまくまとめていて、意外と鮮やかな読後感です。
 あと数巻、続けて、内容を掘り下げてほしかったものです。

2025年10月24・27・28日 ページ作成・執筆

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