成毛厚子「31まいめの空白」(1988年7月13日第1刷発行)

 収録作品

・「31まいめの空白」(1976年「週刊少女フレンド」12月20日号)
「南雲亜希子は怪奇漫画家。
 彼女の次の作品は、人間を剥製にする男を主人公であった。
 主人公の剥製技師については明確なイメージがあるものの、彼に襲われる娘に関しては、さっぱりイメージが浮かばない。
 そんな時、彼女は、剥製技師のイメージとそっくりな男性と出会い、彼の家を訪ねることとなる。
 だが、そこで、彼女の作品の筋書き通りのことが起こる…」

・「殺人ゲーム」(1974年「別冊少女フレンド」5月号/成毛厚子先生のデビュー作)
「莫大な財産を持ちながら、足の不自由なイサドラ。
 夫、アレクセイは、イサドラを愛していると言いながら、実は、小間使いのフランと深い仲であった。
 彼とフランは、強盗を装い、イサドラに偽の遺書を書かせ、彼女を毒殺する。
 アレクセイは警察を呼ぶが、彼女の死体が忽然と消え失せてしまう…」

・「密告者のスケッチ」(1976年「ラブリーフレンド」1月号)
「海辺の静かな町。
 アーサー=クロフォードとセシルはお隣同士で、大の仲良し。
 ある日、二人は海岸の岩窟で一人の女性に出会う。
 女性は、明日まで自分のことを秘密にするよう、二人に頼む。
 しかし、アーサーの描いた女性のスケッチのために、二人は女性のことを明かさざるを得なくなる。
 女性は指名手配中の殺人犯で、結局、警察に追い詰められ、海に転落、溺死する。
 アーサーは海のスケッチに女性を描き加え、「海」という作品に仕立てる。
 だが、以来、二人は海に執拗に追われることとなる…」

・「呪いのろう人形」(1975年「増刊少女フレンド」6月号)
「幼い頃、顔に負った火傷のために、外見だけでなく、心までもねじ曲がってしまった男、マコーレー・フェリス。
 一方、彼の妻、ジューンはモデルで、美しい女性であった。
 しかし、彼女が仕事と称して、毎夜、二時間、若い男と会っていることを知り、マコーレーは憎しみに燃える。
 ある夜、彼は、若い男の家から帰宅する彼女を刺殺するのだが…」

・「終わりのない夢」(1977年「週刊少女フレンド」5月20日号)
「平凡な妻のアニーのもとにふらりと現れたルークという名の少年。
 彼の仕草や雰囲気に、彼女はジョディの面影を見出す。
 ジョディは、彼女が生涯でただ一人本当に愛した人であったが、十四年前に交通事故で亡くなっていた。
 ルークの正体とは…?」

・「黒ねずみたちの行進」(1978年「増刊少女フレンド」1月号)
「PART T」
 宮田尚子は、鼻のおできを隠すために、大きなマスクをつけて下校する。
 彼女が乗った地下鉄では、乗客達が皆、奇妙なニヤニヤ笑いを浮かべていた。
 彼女は隣の車両に移るが、そこでも同様で、彼女は車掌に助けを求めるのだが…。
「PART U」
 船旅の途中、娘は、老婆とその孫の少女と仲良くなる。
 ある時、船が激しく揺れたことから転覆するというデマが船客達に広がる。
 船客達の間でパニックが広がり、その騒動で、老婆は混乱した船客達に踏み殺されてしまうのだが…。
「PART V」
 晴子は、中年の男性に、テレビ局に向かうバスについて聞かれる。
 快く答えた彼女に、男性は、今夜だけは何があっても外に出ないよう強く警告する。
 その夜、テレビにその男性が映るが、彼は地震研究の第一人者であった。
 彼は、明日の午前四時頃、本州に震度7以上の地震が起こると九割方起こると断言するのだが…」

・「ハンティング・エージ」(1978年「増刊少女フレンド」12月号)
「浪人生の麻子は、近所の少年に、不要になったダーツ盤をあげる。
 彼はそれに夢中になり、ダーツの矢をパチンコで飛ばし小鳥を狩るようになる。
 麻子は「遊びで弱い動物を殺すのはかわいそう」と彼を諭すが、彼女の周囲で動物達が次々と姿を消していく。
 少年が友達達とよく観ていた「エンジョイ・ハンティング」のビデオの中身とは…?」

2019年2月17日 ページ作成・執筆
2020年9月16日 加筆訂正

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