広永マキ「呪われた系図」(1987年10月13日第一刷発行)

「武家の家柄であった笹森家は呪われているとの噂があった。
 その呪いとは、二百年も昔、当時の主が、世継ぎのために、町人上がりの側室、あやめを迎えたことに始まる。
 あやめは、殿の寵愛を得て増長し、本妻の美津をないがしろにする。
 嫡男が産まれてから、あやめの横暴はますますひどくなり、離縁された美津は庭にあった松で首つり自殺を遂げる。
 その後、あやめは狂死し、以来、笹森家の夫人は悲運に見舞われると、美津の祟りだと囁かれた。
 そして、時は現代、笹森沙也加と百合香の姉妹の母が庭の松で首を吊っているのが発見される。
 植物人間になった母親は、回復の兆しが見え始めた矢先に、急死。
 家族は悲嘆に暮れるが、三か月後、父親が再婚を宣言する。
 その相手は、亡き母親を介護していた看護婦の小夜子であった。
 小夜子は看護婦とは思えない程、ハデハデで、無神経な尻軽女。
 特に、母を敬愛していた百合香は小夜子に猛烈な怒りを燃やす。
 その夜、百合香の枕元に母の亡霊が現れる。
 夜毎、母親の亡霊は苦しみを訴え続けるが、死因等、肝心なことは告げないまま。
 誰にも言うことを信じてもらえず、百合香はどうにかし証明しようと、学校の心霊研究会を訪れる。
 そこで紹介された、霊能力のある女性に母の霊を降ろし、真相を聞き出そうとするのだが…。
 百合香の母親は裏切られ、殺されたのであろうか…?
 それとも、これは笹森家の呪いなのか…?」

 内容云々よりも、ゴキブリを平然と殺しまくる女中の描写の方がインパクトありました。

2018年1月24日 ページ作成・執筆

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