すねやかずみ「踊れ!墓場で…@」(1997年10月17日第1刷発行)
・「第1話 蜘蛛」(「マガジンスペシャル1997年第3号掲載」)
「沙知子と比呂樹先輩は公園でデート中。
彼からキスを迫られた時、沙知子は首筋に痛みを覚える。
見ると、首のあたりに蜘蛛がいて、比呂樹は蜘蛛を踏み潰す。
蜘蛛に刺されたところは赤く腫れていたが、翌日には腫れは引く。
しかし、沙知子の身に異変が起きる。
普通の食事がまずく思え、虫に食欲を覚えるようになる。
また、体内で何か蠢くものがあった。
そんな時、比呂樹先輩が学校で別の女と一緒にいるのを目にする。
沙知子は彼を公園に呼び出すのだが…」
・「第2話 時計塔」(「マガジンスペシャル1997年第4号掲載」)
「滝沢健一が転校した学校の裏には、古くてボロボロの時計塔があった。
廃墟同様で、時計はもう動いてなかったが、指定文化財のため、取り壊されずにいた。
この時計塔にはいろいろと噂があり、その中に「遅刻の進くん」というのがある。
昔、遅刻常習犯の進という生徒が行方不明になるが、彼はまだ学校をさまよっていて、会ったら死ぬと言われる。
ある夜、健一はクラスメート達と時計塔を探検することになる。
一人、はぐれてしまった健一は時計塔への階段を見つけ、登ってみる。
突き当りの天井口を上げると、そこは機械室であった。
中を歩くと、古めかしい帽子が落ちていて、帽子には「山田進」と名前がある。
健一は慌てて機械室から出るのだが…」
・「第3話 光と影」(「マガジンスペシャル1997年第5号掲載」)
「伊達祐輔はテレビ番組の制作会社の社員。
彼は山奥の影燠村を下見のために訪れる。
影燠村では、村おこしで、村長が立派な神社を建てていた。
あとは、以前の小さな社から御神体の古びた手鏡を移すだけ。
だが、その手鏡をきれいにしていた男性が謎の焼死を遂げる。
更に、新しい神社で、御神体を安置した二人も焼死。
実は、以前の神主も焼死しており、伊達祐輔がその家族を訪ねるも、門前払いをくらう。
伊達は村長に、村おこしに影燠神社を利用することをやめるよう警告するが、村人達に村おこしを邪魔する厄介者とみなされる。
その夜、彼はひそかに影燠神社に忍び込み、手鏡を調べるのだが…」
・「第4話 夢魔」(「マガジンスペシャル1997年第6号掲載」)
「捜査一家の寺嶋は次々と重大事件の犯人を検挙していく。
それには理由があった。
一年前、彼の夢の中に夢魔が現れ、彼の命を引き換えに、将来に起こる事件の映像を強制的に見せるようになる。
彼は成績を上げるも、悪夢のせいで徐々にやつれていく。
ある夜、倒れた彼を、通りがかりの女性が彼女の家に連れて行く。
彼は久々に悪夢を見ず、熟睡できたが、それはアメリカ土産の「ドリーム・キャッチャー」という飾り物のお陰であった。
彼は彼女と結婚し、女児にも恵まれるが、安穏とした生活のために、刑事としては全くダメになる。
そんな時、彼の娘が何者かに誘拐され…」
・「第5話 恐怖・怪奇マガジン」(「マガジンスペシャル1997年第7号掲載」)
「葉樺純也(はかば・すみや/25歳)は三年前上京して頑張るも、芽の出ない漫画家。
ある日、彼は、破格の値段の一軒家の貸家の張り紙を見て、そこに移る。
貸家は郊外の小さな町にあり、そこの本屋を覗くと、「怪奇マガジン」という雑誌が目につく。
その雑誌をパラパラ斜め読みしていると、奇妙な男性に声をかけられる。
この男性は「怪奇マガジン」編集長の牛鬼十三であった。
早速、純也は新連載を任せられ、山岸という担当がつけられる。
牛鬼は「恐怖の体験を生かして描けばいい」と言うのだが…」
2022年1月22・23日 ページ作成・執筆