うぐいす祥子
「僕に殺されろ@」(2023年9月14日第1刷発行)
「僕に殺されろA」(2024年4月17日第1刷発行)

単行本@(「月マガ基地」2023年4月25日〜8月15日号)
・「第1話」
「薬師丸悠は母子家庭・虚弱・いじめられっ子の三重苦を背負った、引きこもり気味の中学生。
 鬱々とした日々を彼は憎しみのみを募らせながら過ごしていた。
 ある日、彼は久しぶりに登校するが、体育の時間に自分の体が火に包まれ失神する。
 以来、彼の左の掌には炎が燃えるようになる。
 これは彼以外には見えず、また、熱くもない。
 この炎は彼の憎しみに比例して勢いを増すのだが…。
・「第2話」
「朝、バス停で見かける女子高生、朝倉も彼と同じ炎を掌に持っていた。
 彼女によると、自分たちは「選ばれし者」で、「正義の炎」が燃え上がる時、近くに「隠れし者(地球侵略を目論むエイリアン)」がおり、それを狩るのが彼らの使命であるらしい。
 また、「選ばれし者」には超人的な再生能力があるが、唯一、「にんにく」だけは絶対に避けなければならない。
 悠は朝倉とコンビを組むこととなるが、最初の獲物は…?
・「第3話」
 憎んでも憎み切れない母親の再婚相手、鈴木。
 悠と朝倉は鈴木のアパートに行き、まず、悠が彼と接触する。
 悠は金槌を手に鈴木を襲うのだが…。
・「第4話」
 鈴木の逆襲を受け、悠は大ピンチ。
 悠が鈴木の部屋に入ってから十分後、朝倉も突入する予定であったが、彼女は通りすがりのおばちゃんに絡まれてしまい…。
・「第5話」
 喫茶店で悠は朝倉から重要な話を聞かされる。
 それは「選ばれし者」の秘密結社「『銀河頂上』日本支部」のことで、悠はこれに入る資格があると言う。
 日本支部を率いるのは「マスター・グリフィン」という男性で、朝倉は悠を連れて彼のマンションを訪れる。
 だが、そこには腹ににんにくを詰められた首なしの死体があった…。

単行本A(「月マガ基地」2023年9月12日〜2024年4月9日号)
・「第6話」
 今まで信じていた正義が崩壊し、朝倉南子はアイデンティティの危機に瀕する。
 一方、薬師丸悠は自分の正義(という名の欲望)に忠実で、このまま、邁進することに何の躊躇もない。
 また、朝倉も「隠れし者」を目にすると、自分が抑えられず…。
・「第7話」
 次のターゲットは幾つもの店舗を展開している会社の社長。
 悠と朝倉はその家に侵入するが、そこには金目当ての強盗が二人、先に入っていた。
 社長の妻子は殺され、社長の首を切られ瀕死の状態。
 そこで悠が強盗たちに提案したこととは…?
・「第8話」
 「マスター・グリフィン」を襲ったのは新興宗教団体「光の善人教会」であることが判明する。
 教祖、光善寺明代は終末思想を説き、人々の間に「サタンの子」がいると主張するが、その正体は「隠れし者」であった。
 母親が入信したのを利用して、悠と朝倉は「光の善人教会」の活動に参加し、教祖と接触する機会を窺う。
 ある日、朝倉は教祖が相談に応じてくれると言われ、悠と共に会いに行くのだが…。
・「第9話」
 これはやっぱり罠で、悠と朝倉は教祖の一味に拘束される。
 教祖の一味は二人を神格の高い人々を狙う「サタンの子」だと信じ込んでおり、二人を尋問する。
 彼らが悠たちの口を割らすために「ニンニク・エキス」を注射しようとすると、悠は自分に注射するよう主張。
 ニンニク・エキスを注射された悠は目・口・鼻・耳から大量の血を噴き出してダウンする。
 教祖はニンニク・エキスの効果を目にして大喜びだが、その時、悠に異変が…。
・「第10話」
 一難去ってまた一難の朝倉。
 そして、今度のピンチを救ってくれたのは安達ケ原涼香の率いる「エクスターミネーターズ」であった。
 「エクスターミネーターズ」は悠や朝倉と同じ体質を持ち、共に戦おうと朝倉を誘う。
 だが、エクスターミネーターズに対して悠は…。
・「最終話」
 謎の光線によって悠と朝倉はお花畑に連れて来られる。
 そこには悠の大好きなマスコットキャラ、ヌルスラ君がいた。
 ヌルスラ君が明かす悠たちの特殊能力の秘密とは…?
 そして、その目的は…?

 うぐいす祥子先生が「メジャー感のある少年漫画」を目指したものの、少年漫画を「弱っちいやつがなんかパワーを得て暴力を振るう話」と解釈してしまったために、全くの別物になってしまったという作品です。
 まあ、うぐいす祥子先生に明るく爽やかな「友情と正義」を求める方が間違っておりまして、「少年漫画」で理想とされるものを追い求め(るふりをし)つつも、当然のことながら、真逆の方向に突き進みます。
 第一、主人公が明らかにキチガイで、全く感情移入ができないのが凄い。
 そのため、人気が出ず、速攻で打ち切りになったようで、最後の方は実にデタラメ&投げやり感に溢れております。
 と書くと、つまらないように思えるでしょうが、うぐいす祥子先生の独特なセンスは健在でやはり、楽しいです。
 正直なところ、「少年漫画」とうぐいす祥子先生は相性が良くなく、あまりストーリーが膨らまなかったのではないでしょうか?
 発想は面白かっただけに、不遇の作品だと思います。

2025年11月27・28日 ページ作成・執筆

講談社・リストに戻る

メインページに戻る