松本洋子「見えないシルエット」(1986年6月6日第1刷発行)
「石館千夜子は、四条学園の理事長の娘。
彼女の兄、高哉は、妹からすれば、ちゃらんぽらんだが、実は、真面目で妹思いなナイス・ガイ。
そして、高哉の親友、海枝智に、千夜子は想いを寄せていた。
ある時、高哉が、妹のラブレターを無断で智に渡したことから、二人は喧嘩になる。
家をとび出た高哉は、学園の不良と喧嘩になり、頭を強く打ち、重体。
一度、死亡するも、奇跡的に蘇生し、学園に復帰する。
しかし、千夜子は、兄が全く変わったように感じる。
非常に攻撃的かつ傲慢になり、彼女や石館家に敵意をむき出しにする。
そして、学園では、高哉を負傷させた不良達、高哉の恋人だった麻矢子が不審な死を遂げていく。
千夜子は、真相を知り、海枝智に相談したいと思うのだが…」
学園を舞台としたオカルトものの佳作でしょう。ベテランらしく、ずんずん読ませます。
ただ一つ、前理事長が本当に横領したのか、それとも、ヒロインの父親によってはめられたのかが、はっきりしないところが欠点だと思います。
それによって、ヒロインへの同情の度合いが変わってきますから。
2020年1月21日 ページ作成・執筆