阿部ゆたか「GREEN DEAD」(1994年5月13日第一刷発行)

・「GREEN DEAD1」(1992年「ホラーハウス」5月号」)
「植物を心から愛する教師、藤崎。
 彼は、生徒や上司からもバカにされていたが、亜紀という女子生徒だけが彼を慕う。(ついでに、彼の子を宿してます。)
 ある時、不良達が、彼の植物園で暴れ、彼が入手した、珍しい植物を傷つける。
 怒りと憎悪に満ちた彼に、その植物は寄生・巨大化し、学校を襲う。
 亜紀は藤崎を止めようとするのだが…」

・「GREEN DEAD2」(原作・丸傳次郎/1992年「L・Cミステリー」11月号)
「有森しずかは「木の声」を聞くことができる少女。
 校庭にある大木には、自分のイニシャルを彫ると、好きな人と両想いになれるとされ、しずかは心を痛める。
 ある時、彼女が木を思いやっていると、木につけられた傷が全て消える。
 しかし、しずかの親友、京子が彫ったイニシャルまで消してしまい、また、しずかが憧れの真中先輩の注目を集めたことから、京子はしずかに対して敵意を抱く。
 京子は再び、大木にイニシャルを彫り込むのだが…」

・「GREEN DEAD3」(原作・丸傳次郎/1993年「L・Cミステリー」1月号)
「バレーボール部員の津崎は、レギュラーに抜擢されるも、嫌味な先輩達に苛々する日々を送る。
 ある時、草むらで怪我した左腕に、奇妙な植物が生える。
 植物は彼女の身体に根を降ろし、彼女が怒りや憎しみを抱いた時に、左腕に凄まじい痛みが走る。
 彼女は、大学生の片桐(一応、このシリーズの主人公)から、憎しみや嫉みを養分として、人の身体を支配する植物の話を聞く。
 バレーの試合に勝つため、彼女は、先輩への憎しみを捨てようとするのだが…」
・「白い約束」(1992年「ホラーハウス」2月号」)
「五年ぶりに山荘で再会した泉、真樹子、実沙、靖子、セツ。
 彼女達は過去、同じ団地に住んでおり、この山荘で家族同士で来たのが最後であった。
 その夜、泉が布団の中で凍死し、真樹子は屋外で凍死体で発見される。
 彼女達は共通してある秘密の「約束」をしていたのだが…」

・「親友」(1992年「ホラーハウス」3月号」)
「田代由美と石井麻子は大親友。
 だが、麻子を急な交通事故で亡くなり、由美は悲嘆に暮れる。
 そんな彼女に、麻子が想っていた男子生徒の香川が声をかけてくる。
 香川は、麻子が想いを寄せながらも、告白ができずじまいの相手であった。
 また、由美も実は彼のことが好きだったが、麻子との友情を優先したため、打ち明けられずにいた。
 由美は彼と親密になるが、麻子からもらった鏡の中に、血まみれの麻子の顔が映る。
 更に、火葬の際に棺に入れた、おそろいの鏡が、麻子の机から出て来る。
 由美は、香川を取るか、それとも、女の友情を守るべきか、苦しむこととなる…」

2020年6月1日 ページ作成・執筆

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