古賀新一「恐怖の大時計」(1986年7月14日第一刷発行)

「理沙は名門柳原家のお嬢様。
 しかし、気品や美貌に恵まれた姉と違い、彼女はあまりに平凡であり、釈然としないものを絶えず感じていた。
 ある日、彼女に一匹のカラスがつきまとうようになる。
 彼女はカラスをクロと名付け、ペットとして飼うと、すっかり懐いてしまう。
 だが、クロは理沙や姉のの裸体をいやらしく見つめるようになる。
 そこで、理沙は、裸を見せる代わりに、幸運をもたらすよう、軽い気持ちで持ち掛ける。
 すると、クロはどこかに飛び立ち、以来、理沙は次々と幸運に恵まれる。
 次は、理沙が約束を果たす番となるが、すっかり怖気ついた理沙は襲いかかるクロを殺してしまう。
 クロの祟りを恐れ、寝付いた理沙は、時計の振り子のような音の耳鳴りに悩まされるようになる。
 そして、夢の中で、時計塔と、着物姿の女性を見る。
 この二つは、子供時代の漠然とした記憶と何やら関係があるようなのだが…。
 理沙の過去の秘密とは…?」

 「カラスが少女を襲い、服をひんむく」という話なのかと思いきや、「子供時代の過去が徐々に明らかになる」話にシフトしております。
 大きな矛盾はなく、一応は、まとまっているので、まあまあ、読ませるのではないでしょうか。
 「口裂け女」が扱われており、古賀新一先生の作品では珍しいように思いました。
 でも、ストーリーとは大して関係がなく、添え物扱いですが…。

2018年4月1日 ページ作成・執筆

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