すねやかずみ「1年C組恐怖会議C」(1996年12月13日第1刷発行)

 天徳高校の臨海学校。
 最後の夜、海の近くの廃校になった小学校の体育館に1年C組の生徒達が先生達に内緒で集まる。
 彼らの目的は「百物語」をすることであった。
 しかし、百話を待たないうちに、「百物語」は中断させられる。
 以来、生徒達は「ストーリーテラー」という悪霊につきまとわれることに…。

・「第ニ十二話 白の恐怖(前編)」
「スキーをするため、雪山に訪れた仙波龍一、山崎吾朗、奥田ちえこ、久世夢子の四人。
 ここには、東京から来た三人の大学生もおり、その中の志郎という青年にちえこは想いを寄せる。
 仙波たちは大学生達と共にこの日最後のロープウェイに乗り、一緒に林間コースを降りる。
 その途中、彼らは吹雪に襲われ、崖のかげで吹雪の収まるのを待つ。
 だが、雪の中から彼らを窺う、何ものかの眼があった…」

・「第ニ十三話 白の恐怖(後編)」
「仙波たち四人はどうにか山小屋にたどり着く。
 山小屋の脇にはスノーモービルがあり、中では猟銃を持った老人がいた。
 老人は彼らを助けに来たのはなく、三十年前、「怪物」に子供を食べられた復讐のためだと話す。
 彼は一人で外に出ていくが、銃声がしたきり、戻ってこない。
 そして、「怪物」は山小屋の床を突き破って、襲ってくる。
 林の中に逃げ込み、足止めするものの、「怪物」はどんどん迫ってくる。
 「怪物」を倒すために、龍一は囮になり…」

・「第ニ十四話 ドアの向こうは!?」
「ある日、仙波たちは喫茶店に集まる。
 龍一は「ストーリーテラー」の悪霊をどうにかするべきだと考えていた。
 遅れて、吾朗がやって来て、彼はある雑誌のページを見せる。
 それには、人気の占術師、天海瑞希の記事が載っていた。
 天海瑞希は占術だけでなく、陰陽道にも通じ、悪霊を研究する祈祷師でもあった。
 夕方、龍一と吾朗は天海瑞希の家を訪ね、悪霊にとり憑かれていると相談する。
 瑞希は「ガイドリング」をもう一度やって、「ストーリーテラー」をもとの世界に帰すよう指示するのだが…」

・「第ニ十五話 異国よりの使者」
「天海瑞希は「ストーリーテラー」の脅威を思い知る。
 彼女はロンドンの黒須教授に助力を仰ぐべく、連絡を取ろうとする。
 黒須教授はk大学の「怪異現象研究室」に在籍する、オカルトの権威であった。
 彼は瑞希から連絡があったことを知り、彼女に電話をかけるのだが…」

・「第ニ十六話 百物語の霊の罠」
「天海瑞希の家を黒須教授が訪れる。
 瑞希は違和感を覚えつつも、どうやら本人らしい。
 黒須は龍一たちに、恐怖の発端である小学校の体育館に行き、そこで悪霊祓いをするしか方法はないと話す。
 一方、イギリスから日本に向かう飛行機には…」

・「第ニ十七話 終わりの始まり…」
「一行は百物語をした体育館を訪れる。
 手分けして、あたりを調べるうちに、龍一は、体育館から離れた丘に奇妙な扉を見つける。
 扉を開くと、そこには壁があった。
 龍一はハンマーで壁を壊すと、向こう側には地下に続く階段がある。
 階段を降りると、人の顔が幾つもにじみ出た岩があった…」

・「第ニ十八話 恐怖の行方」
「間一髪、龍一たちは崩壊する洞窟から逃れるが、黒須は取り残されてしまう。
 車で逃げるも、倒木で道を塞がれ、更に、なめくじのような巨大な怪物に襲われる。
 龍一たちは寂れた神社に逃げ込むが、そこで瑞希は古文書を見つける。
 そこに書かれていたこととは…?」

・「最終話 最後の百物語」
「龍一たちは小学校に戻り、「ストーリーテラー」と対峙する。
 彼らは悪霊を再度封印することができるのであろうか…?
 そして、「ストーリーテラー」に打ち勝つために必要なものとは…?」
(「少年マガジンスペシャル」1996年No.3〜No.8、No.10。No.11掲載)

 「1年C組恐怖会議」の最終巻です。
 「白の恐怖」は雪山版「トレマーズ」と言ってしまってもいいでしょう。B級な味わいです。
 以降の話は、心霊研究家の天海瑞希&黒須聖人の協力を得て、仙波たち四人が悪霊の「ストーリーテラー」と対決する展開になっております。
 ストーリーテラーは四次元空間や巨大なナメクジ・モンスターを引っ張り出してきたりして、なかなかの実力。
 対する主人公達は、少年漫画のセオリー通りに、最後は「※※(ネタバレ防止のため、伏字)」で勝負しております。
 にしても、疑問なのは、体育館の真下に何であんなもんがあるんだ?

2023年3月15・25日 ページ作成・執筆

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