星川とみ「地獄への招待状」(1981年4月4日第1刷・1983年2月15日第4刷発行)
「田園風景の広がる中に建つメルクール家の屋敷。
ある嵐の日、ウェルドン=メルクールの娘、シャーロットの家庭教師としてジェフ=ハンターという青年がやってくる。
シャーロットは心温かい、純粋で明るい娘で、クールな美青年ジェフに想いを寄せていく。
一方、その頃、シャーロットの父を始め、その弟のヘンドリー=シュイソン、執事のプライス=ランバーのもとに脅迫状が届いていた。
その脅迫状は、三人の過去の犯罪を糾弾し、近日中に「ヘル=シャドー」が地獄から迎えに来る旨、書かれていた。
まず、ウェルドンとヘンドリーの旅行中に、ランバーが首吊り死体となって発見される。
シャーロットはひどいショックを受けるが、森の中にある、ジェフの爺やの小屋を馬で訪れ、楽しい一時を過ごし、笑顔を取り戻す。
だが、ヘル=シャドーの魔手はヘンドリーにも伸び、ウェルドンは追い詰められていく。
ヘル=シャドーの正体と目的とは…?
そして、ジェフはシャーロットの父親達が過去に犯した犯罪と何か関係があるのだろうか…?」
(「なかよし」昭和55年7月号〜10月号掲載)
怪奇マンガというよりも、サスペンス・ロマンなのであります。
でも、この手の西洋の屋敷を舞台としたサスペンスは昨今では絶滅してしまったようですので、何か妙に新鮮でした。
また、ショック描写よりも、復讐と愛の間で揺れる男主人公の描写がメインなところが、また当時の少女マンガらしいかもしれません。(あまり詳しくないけど…。)
ラストをどう感じるかで判断が分かれるとは思いますが、個人的には良作だと思います。
2017年3月19日 ページ作成・執筆