宮脇明子「海葬」(1996年12月12日発行)
収録作品
・「海葬」
「16歳でこの世を去った、一ノ瀬薫の葬儀。
彼の家庭教師をしていた美咲は、薫の遺品として一枚のレコードを受け取る。
彼女がレコードを聴くと、「ぼくは殺された」と薫の声が聞こえる。
美咲は、薫の死因について調べるが…」
・「心霊写真」
「プロローグ 見えない手」
「同窓会で撮られた写真。
この写真のほとんどに光が入り込んで、ダメになっていた。
同窓会から三日後、出席した一人が事故死したというニュースが伝えられるが…。
「遠くへ行きたい」
「進学、友人関係、家庭の問題で閉塞感を抱く少女。
彼女は、修学旅行で自分が写った写真を手に入れるが、その写真には奇妙な顔らしきものが写っていた。
暇があれば、彼女はその写真を見つめるが、奇妙なものは姿を徐々にはっきりさせていく…」
・「幻想ポロネーズ」
「道雄の初恋の人は、九条露子というお嬢様。露子の父母は亡くなり、政界の大立者である祖父と、その後添いの若い素子夫人。
祖父の死後、半年後ぐらいに九条露子は転落死。
道雄は、彼女の弁護士が持ってきた露子の日記から、彼女の死の真相を知る…」
個人的に、非常によくできていると思います。力作です。
・「まんなかのマリヤ」
「地味で内気な原田ひろみ。
想い人の森田のために、サッカー部で雑用係をする。
そんな彼女にとって、目障りなのは、花岡麻理矢。
美人で高慢かつ猫かぶり、彼女も森田が目当てで、ひとみにとっては恋のライバル。
ひとみは「三人並んで写真に写ると真ん中の人は早死にする」という言い伝えを聞き、麻理矢が真ん中になるような写真をこっそり撮るが…」
平成27年2月14・15日 ページ作成・執筆