成毛厚子「霊感少女ー闇のカルテ」(1984年6月14日第1刷・1985年6月10日第7刷発行)

 収録作品

・「ゆがんだフイルム えりなの場合」(「昭和58年発行 週刊少女フレンド第23号」所載)
「えりなは、女友達二人の協力を得て、憧れの山科と奥多摩ハイキングに行く。
 その時に写した写真の中で、えりなと山科とのツーショット写真に、奇妙なものが写っていた。
 血に塗れた女の手のようなものがえりなの肩にかかっている。
 気味が悪いので、ネガもろとも写真を焼却するものの、また山代とツーショット写真を撮った時には、明らかに血まみれの女性がえりかに寄りかかるように写っていた。
 えりかは友人の紹介で、4組の霊感が強いと噂の、氏家沙夜香に相談する…」
 憑依されたえりかが、もろ「つのだ」キャラとなっておりまして、オカルトマンガへのつのだじろう先生の影響の大きさが窺えます。
 また、亡霊の描写も某新聞配達員の霊に似ているような似てないような…味があって、いいです。

・「壁のうら側 響子の場合」(「昭和59年発行 週刊少女フレンド第1号」所載)
「改装した後、響子の部屋ではたびたびものがなくなる。
 ある日、響子は悪戯好きな飼い猫に消しゴムを投げつけると、部屋の隅の壁に吸い込まれるようにして消えてしまう。
 さらに、その夜、ふと目覚めると、飼い猫が部屋の隅に向かって唸っている。
 そこには人の顔が浮かび上がり、慌てて両親を呼ぶが、両親を来た頃には、飼い猫が壁に消え去ろうとしていた。
 翌日、飼い猫は発見されるが、その発見されたところまで響子は行ってみる。
 そこには、古い防空壕があった。
 近づこうとすると、止める人の声がする。声の主は、氏家沙夜香であった…」

・「狐狗狸(こっくり)の恐怖 恵の場合」(「昭和59年発行 週刊少女フレンド第3号」所載)
「こっくりさんが大好きな恵は、こっくりさんを帰さずに、途中でやめた時から、どうもおかしい。
 異常なまでの空腹感に悩まされ、意識がはっきりしないうちに、手当たり次第にものを食い散らかしている。
 しかも、態度が粗暴になり、問題行動を多発。
 入院直前となった時、自宅療養している恵を、氏家沙夜香が訪ねてくる…」

・「転生 早苗の場合」(「昭和59年発行 週刊少女フレンド第5号」所載)
「氏家沙夜香の家に、心霊研究をしている冬樹おじが訪ねてくる。
 そこへ、年端のいかない女の子が家に忍び込んでいた。
 女の子はこの家のことを知っているようだが、家の様子が違うと泣いている。
 女の子は、やってきた冬樹おじに出し抜けに抱きつき、離そうとしない。
 女の子は早苗という名だが、ようやく女の子の身元が明らかになっても、ここは自分の家と主張し、帰ろうとしない。
 冬樹おじは、転生のケースと見て、早苗の過去生を探ろうとする…」

・「自縛霊 祐子の場合」(「昭和59年発行 週刊少女フレンド第7号」所載)
「スキーの事故で骨折し、入院している祐子。
 若さ故、早寝なんかできず、夜遅くまで、こっそり起きていると、午後二時頃、女性らしい人物に冷たい手で脚を触られる。
 次の夜も、同じ時間に、祐子は金縛りにあい、またもや脚を触られる。
 翌日、看護婦から、この部屋にいた美人モデルが事故で片足を切断して自殺したという話を聞き、祐子は氏家沙夜香を呼ぶのだった…」

・「霊魂 沙夜香の場合」(「昭和59年発行 ハローフレンド6月号」所載)
「霊能者である冬樹おじは、戦争中に火傷をして死んだ女性の霊と交霊中に、事故で意識不明の重体となる。
 そんな最中、氏家沙夜香はその霊に襲われ、家は大火事になる。
 運び出された沙夜香だが、窒息により、死亡。
 だが、彼女の魂は生と死の狭間にあった…」

平成27年4月7・8日 ページ作成・執筆

講談社・リストに戻る

メインページに戻る