サイキ敬子「鬼封山伝説」(1995年6月13日発行)

・「鬼封山伝説」
「数百年の封印を破り、この世に蘇えった人喰い鬼。
 鬼は、学校に新しく赴任する男性教師に姿を変えて、学校に現われる。
 新しい教師に興味津々の女子生徒たちは、家を訪ねるが、そのうちの二人の行方がわからなくなる。
 封術師の末裔である青年は、猫又である老猫と共に、鬼に立ち向かう…」

・「学園白蛇伝」
「コックリさんで呼び出してしまった邪悪な蛇精。
 蛇精はコックリさんに参加していた男子生徒に憑り付き、次々と犠牲者を出す。
 主人公の智子も狙われるが、お守りの中の白蛇が彼女を守るために、人の姿で現われる…」

・「マリンブルーの惨夢」
「元の担任だった男性教師を訪ね、友達と沖縄へ行った香。
 海水浴に行った時に、そばに日本兵が玉砕したという洞穴を見つけ、香は軽く手を合わせる。
 その帰り道から、香は体調が悪くなり、奇妙なできごとが続発する。
 成仏できない日本兵が彼女に憑りついていたのだった…」

・「礼拝堂(チャペル)に、いる」
「新しくできた礼拝堂で行われる日曜学校に向かう晶子。
 彼女は礼拝堂の中に、奇妙な女子生徒の三人組と見る。
 しかし、礼拝堂には鍵がかかっており、中には誰もいない。
 おかしいと思っていると、突如、金縛りに遭い、晶子は先ほどの三人組にまとわりつかれていた。
 その時、晶子は思い出す、礼拝堂の前の横断歩道で交通事故があり、三人の女子生徒が死んだことを…」

・「ト・モ・ダ・チ」
「よくある学校の怪談、トイレの花子さん。
 一番奥の個室に入ると、花子さんに呼ばれるが、返事をしてはいけないという。もし返事をしたら、花子さんに連れて行かれるという、他愛もない噂。
 しかし、噂は本当で由衣は花子さんと遭遇する。
 友達を欲しがる花子さんは由衣を自分の世界に執拗に連れて行こうとする…」

・「首切り塚」
「以前、首切り殺人事件があったという場所。
 そこは、戦国時代の首切り場で、その後は処刑場だったという。
 オカルト同好会の三人は、そこを取材するが、罰当たりな言動が過ぎ、互いに殺しあう破目に…」

 絵柄からは想像できないほど、かなりグロいです。また、犠牲者の数も多いです。
「鬼封山伝説」「学園白蛇伝」はちょっと物足りない感じがします。中篇にしたら、良かったかも。
 個人的には、「ト・モ・ダ・チ」「首切り塚」の小品が味わい深く感じました。

平成27年1月23日 ページ作成・執筆

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