高階良子「交換日記殺人事件」(1982年5月4日第1刷・1989年11月24日第33刷発行)

 収録作品

・「交換日記殺人事件」(「なかよしデラックス」昭和56年11月〜昭和57年1月号所載)
「藤岡愛と瀬戸竜介は、両家が認める公認カップル。
 二人は二年前から交換日記を続けていた。
 が、ある時から、愛の明るさは失われ、暗い影が差すようになる。
 交換日記には「いまのわたしは以前のわたしではなく」「わたしはあの人のいいなりになるしかない」という記述があった。
 そして、駅でスーツケースを片手に電車に乗り込む姿を最後に、愛は行方不明となる。
 竜介は愛を必死に探すが、手がかりは全くなし。
 そこへ、愛の双子の妹、圭が竜介の前に現れる。
 分家で育てられた彼女は、愛から手紙を貰い、愛のいた本家にやってきたのだった。
 その最中、愛が近所の林の地中から、死体となって見つかる。
 愛からの手紙によると、愛と竜介の間で交わされた交換日記に謎を解く鍵があるようだったが、その日記が何者かに盗まれてしまう…」

・「課外授業殺人事件」(「なかよしデラックス」昭和56年4月号・5月号所載)
「唯一の身内の母親が亡くなり、途方に暮れていた酒井ちひろに、匿名のスポンサーから援助の手が差し伸べられる。
 侘しいアパート暮らしから豪華マンションに暮らす身となり、私立の女子高校への進学まで世話してもらえる。
 匿名のスポンサーとちひろの間を取り持つのが、その学校での人気教師、諸橋であった。
 諸橋から何かと世話を焼いてもらえるちひろは、女生徒達の嫉妬の的。
 勉強の遅れを心配されたちひろは、特別に諸橋から課外授業を受けることとなるが、ある日、課外授業を行う教室で諸橋が死体で発見される。
 ちひろは、学園の創立者の孫である水垣冷子とともに殺人犯を捜し出すこととなる。
 そして、再び起こる殺人事件。
 どうやら、ちひろの匿名のスポンサーと係わりがあるようだが…」

 普通に面白いです。
 個人的には、「課外授業殺人事件」の方が好きです。
 陰気な目付きキャラ、沖田がいい塩梅でアクセントになっております。
 トリックに凝るのではなく、全体的な構成力で読ませる作品です。

平成27年5月14・15日 ページ作成・執筆

講談社・リストに戻る

メインページに戻る