高階良子「はるかなるレムリアより」(1975年8月1日第1刷発行)

「長脇涙が小さい頃、紀彦という少年を心より慕っていた。
 だが、彼はナーガラージャ(竜王)に呼ばれていると言い、洞窟の奥に消える。
 彼の死体は見つからず、涙の手もとには、七つの首を持つ竜の石のみが残される。
 涙はノン(紀彦)のことが忘れられず、毎日、ノンの消えた洞窟を訪れる。
 ある日、そこで、ノンの面影のある、不思議な青年の幻影を見る。
 涙はその青年がナーガラージャという名で、サンダーバード、スカラベという二人の青年と喫茶店で働いていることを知り、彼のもとを訪れる。
 しかし、彼は涙に対して他人行儀な態度しか取らない。
 ナーガラージャは前は紀彦ではあったが、今は、古代に滅びたレムリアの神となり、永遠の女神、アムリタデヴィを捜しに地上へ来ているのであった。
 彼は自分の使命の重要さは承知しているものの、涙への想いを断ち切ることができない。
 一方、悲嘆に暮れる涙に、邪神ガアリイの魔手が伸びる。
 アムリタデヴィは一体、誰…?
 そして、ナーガラージャとアムリタデヴィの心が結びつき、第二の太陽神ラ・ムーとなった時、レムリアが復活する…」
(「なかよし」1975年1月号〜5月号)

 名作です。
 が、あまりにストーリーが壮大なため、粗筋をうまくまとめられませんでした。(読んでも意味不明と思います。文章力不足で、すんません…。)
 インドの古代宗教、レムリアや地球空洞説等の「MU」風オカルト知識に、高階良子先生恒例の恋愛ロマンスをがっちり絡ませ、ラストは人類滅亡の危機(注1)からレムリア復活となかなか豪快な展開を見せてくれます。
 また、永井豪先生の大傑作「デビルマン」の影響が窺えるのが、興味深いところです。

・注1
 「毒ガスで人類滅亡」は、レジス・メサック「半球の弔旗」(仏/1930年代中頃に書かれた、人類滅亡テーマのSF)っぽいです。(ちなみに、毒ガスは日本人の発明です。)
 まあ、この作品は「半球の弔旗」の翻訳が出る以前に描かれているようですので、偶然の一致ですが…。

2018年6月14・15日 ページ作成・執筆

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