御茶漬海苔「殺人ダイヤル9999」(1996年8月9日第1刷発行)

・「殺人ダイヤル9999」
「聖ダイア学院。
 緑川明子は真に片思いしていた。
 だが、ライバルの赤井里奈が真と一緒にコンサートに行くことになり、内心穏やかでない。
 下校途中、明子は携帯電話を拾う。
 すると、急に着信があり、「殺人ダイヤル9999」に電話すると、願いが叶うと告げ、切れる。
 明子は携帯電話を家に持ち帰り、「殺人ダイヤル9999」に赤井里奈を殺すよう依頼。
 その代金は彼女の指一本であった。
 翌日、授業中に、赤井里奈は首がちぎれ飛び、死亡する。
 証拠は一切残らなかったが、友人の照美が彼女に疑いの目を向ける…」

・「秘密倶楽部」
「聖女中学校。
 秘密倶楽部は、他人の秘密を詮索して、好奇心を満足させる、明日香と魔子だけの秘密の倶楽部。
 二人は、明日香が想いを寄せている緒方先生の秘密を確かめることになる。
 緒方の家は大きな洋館で、二人は彼の留守の間に、家に忍び込む。
 彼の部屋には隠し扉があり、二人は扉を開け、地下室に降りる。
 地下室には生徒名簿があり、生徒達の顔をチェックしてある。
 そして、ノートには美しい母親への思慕が書き連ねられていた…」

・「人虫花」(1994年月刊少女フレンド12月号増刊「サスペンス&ホラー」掲載)
「夜中に奇妙な物音が聞こえると噂される、白鳥研究所の廃墟。
 菜月は、怯える妹の麻弓を連れ、探検に訪れる。
 そこで、菜月は過って地下室に転落、後頭部にガラスの破片が突き刺さる。
 すると、菜月の口に何かの虫が入り込み、彼女は生き返る。
 だが、どう見てもまともでない。
 その夜、寝床から姿を消した姉を麻弓が探すと、屋根裏一面に卵を口から産み付けていた…」

・「人虫花 狂気の増殖」
「田園小学校。5年1組。
 花織は、友人の麻弓と男子生徒が隠れてキスをする場面に遭遇する。
 だが、キスしようとした瞬間、麻弓の口から何かの虫が男子生徒の口に潜り込む。
 花織は、麻弓と男子生徒に追われ、麻弓の家へ逃げ込むが、家中、虫の卵で覆われていた。
 虫に寄生された人々に襲われ、花織は、今は廃墟の白鳥研究所に逃げ込む。
 そこで、彼女は「人虫花」の秘密を知る…」

・「切り裂きジャッキー」(1995年月刊少女フレンド6月号増刊「サスペンス&ホラー」掲載)
「雨の夜、下校途中の女子生徒を襲っては、顔を剃刀で切り刻む、切り裂きジャッキー。
 正義感の強い英里奈は、切り裂きジャッキーを返り討ちにすべく、わざと雨の夜、一人で下校する。
 案の定、彼女は切り裂きジャッキーに襲われるが、持っていた剃刀で反撃、ジャッキーの顔に傷を付け、崖下に突き落とす。
 ジャッキーは転落した際に、鉄杭が頭蓋を貫通して死亡。
 だが、彼は、顔を傷つけられたことへの復讐に、英里奈の前に再び姿を現わす…」

・「悪夢」(1996年月刊少女フレンド1月号増刊「サスペンス&ホラー」掲載)
「開王中学校。演劇部。
 次の演劇の主役は、皆の憧れの香山先輩。
 その相手役は、三人の美人の先輩の誰かに決まっていた。
 秋世は香山先輩に想いを寄せていたが、後輩のため、全くチャンスはない。
 その夜、傷心のまま、秋世は眠りに就く。
 夢の中、先輩の一人が刃物で頭から胴体を両断されて、殺される。
 驚いて、目を覚ますと、秋世は血まみれで、ベッドの側には凶器が転がっていた。
 翌日、その先輩の死がニュースになるが、秋世の夢と一致している。
 その夜、秋世は自分の就寝中をビデオカメラで撮影するのだが…」

・「殺人ダイヤル9999♯2『ワタシハ、テンサイ』」(1996年月刊少女フレンド4月号増刊「サスペンス&ホラー」掲載)
「天玉中学校。
 学年で一番の才気麗子は、天才だと増長し、周囲を見下す、高慢ちきな女子生徒。
 だが、白石流美が転校してきたことで、状況が一変。
 あっさり一番の座を奪われ、彼女はプライドをズタズタにされる。
 逆上して外に走り出た麗子は、木の下に携帯電話を見つける。
 麗子はこの電話で人が殺せることを知ると、家に持ち帰り、夜、白石麗子の殺害を「殺人ダイヤル9999」に依頼。
 代金として、麗子から「なにかいただく」らしいのだが…」

 個人的なベストは「人虫花」シリーズです。
 御茶漬海苔先生得意の虫を扱った作品で、虫の卵でぎっしりの「人虫花」のタイトルだけで鳥肌が立ちます。
 「悪夢」は「楳図かずおの呪い」の影響を受けたのでありましょうか?

 言い訳ですが、掲載された雑誌や年月日を記入してないところがあります。
 これは、ページの「のど」の奥で読み取れなかったためです。
 本が割れるぐらいまで開けば、判読できたのですが、さすがにそこまでしたくないので、あしからず。

・備考
 p29〜p36、汚れ・シミあり。

2017年12月10日 ページ作成・執筆

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