井口かのん「今日のニュース」(1998年3月13日第1刷発行)

 収録作品

・「今日のニュース」(1998年「デザート1月号増刊 サスペンス&ホラー特集号」)
「父親は女癖が悪く、母親は家出中、学校も何もかも面倒臭い女子高生(16歳)。
 彼女は本屋で、話題の「自殺の手引き」を手に取ろうとすると、同時に、その本を手にした少年がいた。
 彼は中学三年生。これから生きていても、つまらないことばかりしかないと自殺を決意していた。
 本をきっかけに知り合った、二人は「心中」することになる。
 また、自殺方法は、車で排気ガスを使うことに決定。
 二人は、自殺する前に、ひったくりをして得た金で、一日中楽しく遊ぶ。
 日が暮れ、自殺しようとするが、肝心の車がない。
 すると、少年は…」

・「Nervous」(1997年「デザート9月号増刊 サスペンス&ホラー特集号」)
「あずさは、恋人を友人に奪われる。
 幸い、夏休みで、彼女は9月までに新しい恋をして、いい女になることを決意。
 まずは、友人に誘われて、海へ行く。
 ところが、ちょうど生理で、海に入れず、一人ぽつねんとしていた時、一人の青年が話しかけてくる。
 彼は優一という大学生で、親切で、紳士的であった。
 あずさは、新しい恋に踏み出すために、彼から教えてもらった電話番号に連絡し、デートをする。
 デートの最後で、彼にキスされ、次は、彼の家に誘われる。
 展開の速さに戸惑いながらも、前回はぐずぐずしたことで失敗したと考え、彼の申し出を受ける。
 そして、彼と肉体関係を持つが、その後から、彼となかなか会えなくなる。
 彼を信じようとしながらも、彼女は不安に苛まされるようになり…」

・「窒息」(1993年「月刊少女フレンド1月号増刊 サスペンス&ホラー特集号」)
「引っ込み思案の浅丘唯は高校入学から二週間経っても、友人ができなかった。
 そんな彼女に話しかけてきたのが、黒崎亜美という黒縁眼鏡の少女。
 彼女はクラス委員で、頭が良く、頼りがいのある存在であった。
 ただ、彼女には「前世」信仰があり、自分は「戦士ジュラン」で、唯は「巫女リーファ」だと話す。
 そして、二人は恋人同士だったという。
 唯と亜美は仲良くなるが、沢田という男子生徒が二人の仲にくさびを打ち込む。
 唯は彼に惹かれ、亜美の言う「戦士ヴィーシュア」ではないかと考える。
 それを唯は亜美に打ち明けるのだが、そのせいで、亜美の「前世」信仰が皆にばれてしまい…」

・「目覚め」(1991年「月刊少女フレンド9月号増刊 サスペンス&ホラー特集号」)
「牧野は自分に自信の持てない少女。
 クラブ紹介の際の早坂先輩の言葉「自分以上の自分」に惹かれ、彼女は生物部に入部する。
 だが、その実体は「オカルト研究会」で、ESP実験ばかりしていた。
 牧野は普通の状態ではさっぱりであったが、早坂先輩に催眠術をかけられると、完璧な結果を出す。
 早坂先輩は放課後、彼女と二人で超能力の特訓を始めると、彼女のパワーはどんどん研ぎ澄まされていく。
 一部の女子からは「あやつり人形」と揶揄されるも、それでも、先輩が喜んでくれれば心から嬉しい。
 しかし、彼女が「自分以上の自分」になった時…」

 相変わらず、「BAD END」尽くしで攻めてきますので、心もしくは身体がしんどい時は読まない方がいいです。
 超能力少女を扱った「目覚め」が個人的にはストレートな「怪奇マンガ」で、いいと思います。
 トラウマ度はかなり高めですが…。

2021年7月8・11日 ページ作成・執筆

講談社・リストに戻る

メインページに戻る