佐伯かよの「紅いG線」(1986年6月14日第一刷発行)

 収録作品

・「紅いG線」(原作・池田悦子(注1))
「有馬螢(ありま・けい)は、実業家の父と、引退した天才バイオリニストの母を持つ、お嬢様。
 彼女は、新人の登竜門と言われるコンクールに出場するが、度重なる妨害にあう。
 どうにか乗り切るも、母が裏で糸を引いているらしい。
 更に、母は、螢は命をも奪おうと目論む。
 その原因は、螢の出生の秘密にあった…」

・「黒い聖夜」(1977年「りぼん」12月号)
「イギリス。フォーサイト家。
 フォーサイト家の当主、ジェームズ・フォーサイトは一代で財を築き上げた、病院の経営者。
 彼は、孫娘のセシリアを溺愛していた。
 セシリアの父親は、彼女が幼い頃、家を出て、母親も早くに亡くなり、彼女は祖父の愛情をたっぷり受けて、育つ。
 セシリアの17歳の誕生日(クリスマス・イブ)、邸では豪華なパーティが開かれようとしていたが、ジェームズ・フォーサイトが研究室で死体となって発見される。
 彼は癌だったということで、警察は毒物による自殺と断定。
 しかし、セシリアの従兄のオスカーは、研究室からテープレコーダーを発見する。
 それは、祖父が、誕生日プレゼントとして、吹き込んでいたものであった。
 セシリア、彼女の家庭教師のシドニー、オスカーの三人がテープを聞くと、最後の方に「き、きみは…!!」という声と、窓ガラスを五回ノックする音が録音されていた。
 三人は、ジェームズ・フォーサイトの死が自殺ではないと確信するが、その夜、オスカーが池で凍死する。
 しかも、テープレコーダーの音声は、オスカーにより消去されていた。
 シドニーは、オスカーの死に疑問を抱き、一人、セシリアを守る決意をする。
 だが、意外なところから、セシリアに魔の手が伸びていた。
 時計台の鐘が五時を告げる時、彼女は心臓発作で亡くなってしまうのだが…」

・「炎の伝説」(1975年「りぼんお正月増刊号」)
「高橋修二は、モデルの流火(るい)と運命的な出会いをする。
 彼女は、カメラマンの兄、高橋光一が熊本の山奥で発見して、一年契約でモデルを務めてもらっていた。
 天真爛漫な彼女に修二は惹かれていくが、彼女にはどうもおかしなところがある。
 彼女には、父親は最初からおらず、母親は彼女が産まれた瞬間に死んだらしい。
 また、修二の兄は、彼女の身体が赤い炎に覆われるのを幾度か目撃する。
 ある時、修二は、熊本によく旅行に行っていた祖父のスケッチブックに、流火にそっくりな娘の絵を発見するのだが…。
 流火の正体とは…?」

・注1
 コミックロマンミステリーの単行本では、何故か、原作者の記載がなし。

2020年1月19日 ページ作成・執筆
2020年9月7・8日 加筆訂正

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