成毛厚子「霊感体験レポート」(1985年9月14日第1刷発行)

 収録作品

・「霊感体験レポート」
・「ファイル1 ねじれた風景」(「昭和59年発行 週刊少女フレンド第16号」所載)
「浪人中の予備校生、曜子の唯一の息抜きは、行きつけの喫茶店で窓外の雑踏を眺めること。
 彼女がいつもの席に就くと、いつも決まったテーブルの席に、女性が座っているのが見える。
 女性は後ろ姿しか見えず、曜子も彼女の顔は見たことがない。
 女性は誰かを待っているらしく、手に持った自動車のキーをいじっている。
 ある日、その女性は男性と並んで、座っていた。
 が、いつの間にやら、女性は姿を消し、自動車のキーが残されていた。
 男性に女性の忘れ物と言うと、男性は自分は一人だったと言い、マスターも同じことを言う。
 曜子が女性を追いかけようと店を出ると、いつの間にやら、鬱蒼とした森の中に迷い込んでしまう…」

・「ファイル2 孤独な転校生」(「昭和59年発行 週刊少女フレンド第17号」所載)
「女子高生、沢木可南子のクラスに転校してきた尾関久美。
 いかにも暗そうな尾関久美を、学校に馴染ませようと、クラス委員の可南子はいちいち面倒を見ようとする。
 が、久美は可南子の干渉に露骨に迷惑そうな態度を見せ、自分にかまわないよう言う。
 すると、可南子は階段で誰かに押され、転落。
 その時に、可南子は咳をする音を聞く。
 怪我は大したことなかったものの、久美に関わる度毎に、咳をする音と何者かの気配が可南子に付きまとう…」

・「ファイル3 自殺者の叫び」(「昭和59年発行 週刊少女フレンド第18号」所載)
「友恵は団地の屋上にシーツを干しに行った時、若い女性の飛び降り自殺の場に立ち会ってしまう。
 実は、この団地では住人でもない人がわざわざ投身自殺に来て、その女性で13人目だと言う。
 自殺した女性の幻を何度も友恵は目にして、自分が憑りつかれたと思うようになる。
 折りよく、盆だったので、お坊さんに女性が自殺した場所でお経をあげてもらう。
 これで成仏したことを願いつつ、翌日、友恵はその場所を通りがかると…」

・「死後の通信」(「昭和59年発行 ハローフレンド12月号」所載)
「美沙子は、優等生の高遠公子が本屋で万引きをするのを目撃する。
 翌日、高遠公子は、体育館裏の階段から転落して、死亡。
 事故死ということになるが、美沙子は自分が原因で高遠公子が自殺したと考える。
 ある日、美沙子の友人達がこっくりさんで高遠公子の霊を呼ぼうとする。
 嫌がる美沙子の前で、彼らはこっくりさんを始めるが…」

・「白い闇の恐怖」(「昭和60年発行 週刊少女フレンド第5・6号」所載)
「友人の父親が建てたホテルにスキーにやって来た里実。
 しかし、ホテルに着いてから、里実に奇怪なことばかり起きる。
 そして、里実の前に現れる、血にまみれた若い女。
 実は、里実の先祖は、このホテルが建っている雪深い村落に道をつくり、発展させた恩人であった。
 里実の先祖と、若い女とのつながりとは…?」

平成27年4月9日 ページ作成・執筆

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