青水梨鴉
「リバース・リデッド@」(2023年9月20日第1刷発行)
「リバース・リデッドA」(2024年1月18日第1刷発行)
単行本@(「ヤンマガWeb」2023年6月〜7月)
・「第1話 心臓を盗まれた男」
橘田巡(きった・めぐる)はビルの屋上から飛び降り自殺を図る。
実の母親からは厄介者扱いされ、絵の道を諦め、唯一の心のよりどころだった祖父を亡くし、人生に絶望したのである。
自殺する直前、彼は「怪異」と出会い、心臓を奪われる。
だが、それは死神ではなく、「ドッペルゲンガー」という「三等指定怪異」であった。
心臓を奪われた彼は「不死者(アンデッド)」となってしまい…。
・「第2話 公安零課」
橘田巡は現場で出会った鳴宮塔子にスカウトされる。
彼女が所属するのは公安零課という怪異事件専門の組織であった。
そこで彼は課長の九多鬼玲(くだき・れい)と面会するが…。
・「第3話 同僚と覚悟」
巡は零課で働くことになり、塔子に同じ班の三桑政宗(管狐遣い)を紹介される。
巡と政宗の二人は早速、「怪異」の対処に行く。
その「怪異」は人の内臓を持ち去る「名無しの怪異」で、三人もの人が犠牲になっていた。
たった一人の目撃者に話を聞いた後、二人は怪異が現れる場所で怪異を待ち受けるのだが…。
・「第4話 義務と答え」
「怪異」は人に語られることで名前と力を得る。
彼らの相手の「怪異」は「名無し」であったが、ネットで映像が拡散され、強力な「指定怪異」となってしまう。
政宗は苦戦するも、巡を零課の人間と認めておらず、手を出すことは許さない。
しかい、政宗のピンチを目の当たりにして…。
・「第5話 宿敵」
午後、巡と塔子は警邏に出かける。
あれこれ話をしているうちに、塔子は巡に「怪異」が視えるようになったきっかけを話す。
彼女が高校生の頃、指定怪異に襲われ、友人はいまだにその心の傷から回復していなかった。
彼女は「怪異」を殺すため、零課に入り…。
・「第6話 復讐と不足」
塔子の復讐相手は「一等指定怪異」の「赤マント」。
それが現れたとの連絡があり、二人は現場に急行する。
塔子は巡に「邪魔が入らないよう」協力を頼み、一人で赤マントに挑む…。
・「第7話 想いと次」
窮地に陥った塔子を巡は助け出す。
一人で復讐することにこだわる彼女に巡は「死ぬのが目的じゃない」と諭し、何を利用してでも赤マントを倒すよう励ます。
巡の言葉に心打たれ、塔子と巡は共同で赤マントに戦いを挑む…。
単行本A(「ヤンマガWeb」2023年7月〜11月)
・「第8話 普通と特別」
駅の切符売り場で巡は真央という女の子に声をかける。
女の子が一人だったので心配したのだが、二堂季(にどう・とき)という大学院生(唖者)も彼女のことを心配していた。
真央は離婚して家を出て行った父親に会おうとしており、母親との関係はどうやら良くはない。
そこで巡は零課で父親の住所を調べてもらい、三人で父親のもとへと向かう。
途中、巡は真央が「怪異」を視ることができることを知り…。
・「第9話 天狗と訓練」
鳴宮塔子が復帰するが、状況が以前とは少し変化する。
「指定怪異」が互いに協力し合うことが明らかになり、零課で行動室の人間は死なない程度の力をつけておくことが必須となる。
巡と新人の蓼川理乃は強化訓練を受けることとなり、飯縄明野(いづな・あけるの)という女性が訓練を担当する。
彼女は元「高尾山の天狗」で、彼女から羽を取ることができたら合格なのだが…。
・「第10話 羽根」
簡単な訓練かと思いきや、巡と蓼川は飯縄に翻弄される。
蓼川の武器は霊斧(?)のハルバート、そして、巡の武器は体の「過剰再生」。
それぞれのスタイルを活かして戦わなくてはならないが…。
・「第11話 遊園地」
休日、巡・二堂・真央の三人は遊園地に出かける。
巡は生まれて初めて家族らしい体験をして、少々浮かれる。
だが、この遊園地は「怪異」との接触ポイントの疑いが持たれていた。
突如、怪異に襲われ、巡は真央と二堂をフードコートに避難させ、戦いに行く。
そこに鳴宮塔子の一行も到着し…。
・「第12話 生きる力」
零課の面々は二人一組になり、それぞれ「怪異」の親玉を捜す。
巡が組むのは真能忠邦という先輩で、彼は霊刃は使わず、身一つで怪異を倒すステゴロおやじであった。
真能はお化け屋敷を怪しみ、二人で入るのだが…。
・「第13話 瞳を閉じて」
巡と真能の前に「怪異」の親玉が現れる。
親玉は二匹おり、巡の相手をするのは百目鬼。
彼女は巡やドッペルゲンガーのことを知っており、遊園地での件には目的があった。
それは「人間からの解放」。
その意味するところとは…?
巡は大切な人を守るため、拒否するのだが…。
・「第14話 家族ごっこ」
お化け屋敷でのことは罠だったと知り、巡はフードコートへと急ぐ。
そこで目にしたものとは…?
・「第15話 羽化
」
遊園地の事件以来、巡は九多鬼課長直属となり「怪異」殺しに精を出す。
傍若無人な彼を課長は放置するが、その思惑とは…?
・「第16話 人間と怪異」
元旦、守羽神社に「黄蝶」の大群が現れる。
黄蝶は兵乱の前触れと言われており、零課は非常招集をかけ、神社に駆けつける。
巡はこの件にドッペルゲンガーが絡んでいると直感で悟るが、ドッペルゲンガーの
目的とは…?
・「第17話 籠城」
零課の人々は神社に入ろうとするも、あまりに大量の「怪異」に阻まれ、長期戦を余儀なくされる。
本殿にドッペルゲンガーがいるが、拝殿は百目鬼の髪に覆われ、これは「怪異」でないと通ることができない。
しかも、中には参拝客が人質として囚われ、寒空の下、飲まず食わずで放置されていた。
巡は自分が行くことを申し出るが…。
・「第18話 意味と責任」
拝殿に向かう巡の前に三桑政宗が立ちはだかる。
彼は巡が私怨を晴らそうとしているだけに憤り、「復讐である殺し」を許さない。
それに対する巡の答えは…。
・「第19話 心臓と後悔」
二日間に渡る殺戮。
ようやく巡はドッペルゲンガーと再会する。
巡はドッペルゲンガーから心臓を取り戻すことができるのであろうか…?
・「最終話 必死に生きる」
神社の事件からしばらく経った頃、鳴宮塔子が向かったのは…。
良作だと思います。
ただし、打ち切りにあったのか、単行本は二巻しかなく、ボリューム不足と中途半端さは否めません。
公安零課での人間模様や「怪異」たちの世界についてもっと掘り下げることができたなら、高い評価を受けることができたのではないでしょうか?
ほろ苦いラストも余韻があって良いと思います。
不遇な作品です。
2026年4月1〜3日 ページ作成・執筆