高橋翔馬・漫画/三石メガネ・原案
「猫はよみがえる@」(2016年10月20日第1刷発行)
「猫はよみがえるA」(2017年6月20日第1刷発行)
「猫はよみがえるB」(2018年2月20日第1刷発行)


単行本@(「eヤングマガジン」2016年第22号〜第36号)
・「第1話 放課後」
 国立才禮学園。
 この学園「心と頭脳 共に優秀な学生のみを受け入れる」というコンセプトを下に創立され、中高一貫型であるにも関わらず、全校生徒は300人にも満たない。
 また、全寮制で、校舎は人里離れた土地に建てられ、更に、校則は非常に厳しく、生徒たちは外界から隔絶された生活を送っていた。
 綾川梨花は高等部の二年二組の生徒で、毎晩、悪夢に悩まされていた。
 悪夢は、見知らぬ少女が彼女の前に倒れており、泣きながら梨花に助けを求めているというものであった。
 そして、悪夢を頻繁に見るようになったのは、二か月前、クラスメートの六宮総一朗が中等部一年の女子生徒を殺害し、その眼球をしゃぶるという事件が起きてからであった。
 雨の降る日、帰りのホームルームで担任の牧野秋秀は六宮総一朗が舌を噛み切って自殺したと話す。
 そのため、急遽、二年二組の生徒たちは放課後に臨時カウンセリングを受けることとなる。
 出席番号順に放送で呼ばれたら、小会議室に行き、南鈴蘭という臨時のスクールカウンセラーから様々な質問を受ける。
 カウンセリングの最中には頭にヘッドギアをかぶらねばならず、カウンセリングと言うにはかなりものものしい。
 梨花はカウンセリングの後、寮ではなく教室に戻り、友人の白村ミリアや江波翔太と話をする。
 すると、突然、停電が起こり…。
・「第2話 亡霊」
 翔太たちが小会議室に駆けつけると、そこには南鈴蘭の惨殺死体があった。
 その死体の両目はくりぬかれており、彼らは六宮総一朗のことを思い出す。
 一方、白村ミリアと愛野萌は職員室に行き、先生たちが皆、死んでいるのを目の当たりにする。
 彼女たちの悲鳴を聞いた翔太は梨花を捜しに行き、昇降口でミリアと再会する。
 停電のため、昇降口は電子ロックが解除されず、彼らは校舎に閉じ込められていた。
 トラブルはそれだけにとどまらず…。
・「第3話 波紋」
 日は暮れ、校舎の中は暗くなってくる。
 二組の生徒たちはとりあえず、教室に戻るも、誰が殺人犯かで疑心暗鬼になっていた。
 真っ先に疑われたのは第一発見者の加賀美羽で、粗暴な千葉野哲郎と子分の小森一は武器を探しに教室を出て行く。
 また、冷徹な頭脳を持つ葛城くさびも無言で教室を出て行く。
 彼らの目的は…。
・「第4話 違和感」
 ミリアは窮地を射原貴代光(いはら・きよみつ)に救われる。
 射原貴代光は一匹狼の不良であった。
 彼から保健室で手当てを受けた後、ミリアは「この学園はイカれてる」という言葉の意味を尋ねる。
 その頃、江波翔太は梨花の行方を捜し続けていた。
 彼は担任の牧野秋秀と出会うのだが…。
・「第5話 豹変」
「山下遥斗と渡辺風子は教室を出て行った千葉野と小森を捜していた。
 二人は恋仲で、二人きりでいいムードになった時、千葉野と小森が現れる。
 千葉野は野球部でバットを手にしていた。
 山下遥斗は千葉野の様子がおかしいのに気づき、バットを渡すよう言うのだが…。
・「第6話 暴走」
 千葉野と小森による悪鬼のような乱行。
 山下遥斗は必死の思いで、渡辺風子を助けようとするのだが…。
・「第7話 欺瞞」
 保健室で射原はミリアに一か月前の出来事を話す。
 彼が授業をさぼって屋上にいた時、中庭でとり憑かれたように泣き叫ぶ女子生徒の姿とそれを抑え込む数名の教師の姿を目撃する。
 しかも、女子生徒がそうなったのは六宮総一朗の事件と何らかの関係があるらしい。
 以来、射原はこの学園について様々な疑問を持つようになる。
 そして、彼が気づいた最も異様なこととは…?

単行本A(「eヤングマガジン」2016年第42号〜2017年第14号)
・「第8話 人格」
 綾川梨花が目を覚ますと、四階の化学準備室に監禁されていた。
 彼女はミリアたちと職員室に行こうとした時、担任の牧野秋秀に拉致された。
 両手は後ろ手で縛られており、この状態ではドアの鍵を開けることはできない。
 縄を切る物があれば良いが、暗闇の中では見つけることはほぼ不可能。
 その時、彼女の中で何かが目覚める…。
・「第9話 邂逅」
 梨花は江波翔太と再会する。
 彼は梨花に今まであったことを話し、牧野秋秀が元凶ではないかと打ち明ける。
 とりあえず、二人は教室に戻ることにすると、廊下に人を引きずったかのような血の跡がある。
 そして、小会議室の南鈴蘭の死体が消えていた…。
・「第10話 教室」
 教室の前に血まみれの柳原レオが立っていた。
 教室にはレオ以外、誰もおらず、彼は教室で何が起こったのか二人に話す。
 教室には、レオを含めて、
 加賀美羽〜南鈴蘭殺しの疑いをかけられた少女
 壬生志信〜美羽を見張るよう命令された巨漢
 小松原にゆ&首藤美春〜百合カップル(A巻の表紙を参考のこと)
 三の瀬宗介〜何を考えているのかわからない
 の計六人の生徒が待機していた。
 夜の八時になっても誰も戻って来ず、とりあえず、誰かが助けを呼びに行ってると信じる他ない。
 すると、突然、壬生が空腹を訴え始め…。
・「第11話 寵愛」
 空腹に突き動かされ、壬生は小松原にゆと首藤美春に襲いかかる。
 にゆは美春を守るため、圧倒的に体格差のある壬生に単身で挑む…。
・「第12話 確変」
 梨花と翔太はレオから教室で起こったことの説明を受ける。
 だが、梨花はレオが血まみれである理由がわからないと指摘する。
 すると、レオは気絶して意識を取り戻した時に「目が醒めた」感じがしたと話す。
 彼は『美』を求めているようなのだが…。
・「第13話 切断」
 レオに襲われ、梨花と翔太は教室から逃げ出す。
 梨花は南鈴蘭の死体にショックを受けていたが、どこかで既視感を感じる。
 一方、保健室では小松原にゆ&首藤美春が射原に保護されていた。
 二人から話を聞き、彼は保健室から出るが、その目的とは…?
・「第14話 脳裏」
 翔太は出口を捜すため、一階へと向かおうとする。
 しかし、梨花は他のクラスメートもいるからと彼を止めようとする。
 彼は梨花のことがクラスメートの誰よりも大切と言い、彼女を守らせてくれるよう訴える。
 彼の言葉に胸を打たれながらも、彼女の心の中では…。
・「第15話 深層」
 射原は千葉野と小森に襲われ、男子便所で拘束される。
 千葉野は一匹狼な射原にコンプレックスを抱いていた。
 バットで殴打しようとした時、どこからか梨花の悲鳴が聞こえる。
 千葉野と小森は彼女のもとへと向かうのだが…。
 一方、梨花の心のうちでは「どす黒い何か」が噴き上がっていた。
 この感覚の正体は…?
・「第16話 慕情」
 白村ミリアが梨花に声をかけると、梨花は突然、ミリアに襲いかかる。
 ミリアが抵抗すると、梨花は我に返り、自分の行動に戸惑いを覚える。
 とりあえず、梨花はミリアに謝ろうとするのだが…。
・「第17話 本性」
 襲いかかるミリアを制止したのは牧野秋秀であった。
 ミリアは牧野に梨花が先に襲ってきたと訴える。
 だが、牧野はやけに冷静であった。
 彼は何かを知っているようなのだが…。
 そして、牧野秋秀がこの学園に入ってきた目的が明かされる…。

単行本B(「eヤングマガジン」2017年第16号〜第45号」)
・「第18話 集結」
 梨花、ミリア、牧野がいる場所に次々と狂った生徒たちが集まってくる。
 千葉野鉄朗、小森一、柳原レオ、壬生志信…どれも危険極まりない。
 その頃、トイレに拘束された射原は…。
・「第19話 乱闘」
 牧野は自分が盾となり、梨花に逃げるよう言う。
 梨花は傷ついたミリアと共に逃げようとするが、それがあだとなり、小森の魔手が彼女に伸びることに…。
・「第20話 一掃」
 梨花のピンチを救ったのは射原であった。
 しかし、彼は千葉野に襲われた時の傷から大量に出血していた。
 薄れゆく意識の中、彼は梨花に誰の面影を見ていたのかを悟る…。
・「第21話 真実」
 梨花と牧野の前に葛城くさびが現れる。
 彼は血にまみれたナイフを手にしていた。
 梨花と葛城に言われ、牧野は才禮学園の秘密を明らかにする。
 図書館の奥の特別資料室。
 ここには学園に在籍している全生徒のパーソナル・データがある。
 2年2組のファイルに記されている「真実」とは…?
・「第22話 追憶」
 六年前、蓮村彩夏(10歳)は母親の失踪が原因で誰に対しても攻撃的であった。
 夏のある日、彼女のクラスに園田梨花という美少女が転校してくる。
 梨花は彩夏の隣の席となり、家が近所ということもあって、友達となる。
 また、梨花の兄も非常に優しく、彩夏は園田兄妹と触れ合うことで人間性を取り戻す。
 中学になっても、この関係は続くのだが…。
・「第23話 朱夏」
 夏のある日、梨花と彩夏は浴衣に着替えて、夏祭りに行く。
 二人は楽しく過ごすが、気づくと、梨花の姿がない。
 彩夏は梨花の兄と会い、スマホで彼女に連絡を取ってもらう。
 そこから聞こえてきたのは…。
・「第24話 子猫」
 夏祭りの夜から二週間。
 彩夏は心の空虚を抱えていた。
 梨花と友達になった河川敷の階段に座っていると、彼女は三匹の猫が一匹の鳥を弄んで殺すのを目にする。
 その時、彼女は「猫」になることを決意するのであった。
 そして…。
・「第25話 二人」
 梨花は全ての「真実」を知り、自分を取り戻す。
 彼女と牧野は学園から出ようとするが、図書室は火に包まれていた。
 火をつけたのは…。
・「第26話 翔太」
 図書室はあちこちに火が周り、書架が倒れて、梨花と牧野は離れ離れになる。
 その時、図書室へ江波翔太が梨花を助けに来る。
 そして、この事件の発端が明らかとなる…。
・「第27話 贖罪」
 罪には罰を…。
 生き残った梨花の決断は…?
・「最終話 決別」
 梨花は病院で目覚める。
 彼女は十日も眠り続けていた。
 彼女の学園での最後の記憶はミリアとのことであった。
 その夜、彼女は夢を見る…。

 このタイトルと表紙からは想像がつかないでしょうが、「発狂もの」の快作です!!
 閉鎖された校舎の中でキチガイ高校生たちがゴア・フェスタを繰り広げる「エロ・グロ・バイオレンス」が三拍子揃ったサバイバル・ホラーで、よくもまあ、WEB版とは言え「ヤングマガジン」に掲載できましたよね、コレ…。
 この手の奇抜さを売りにした作品は後半、グダグダになるパターンが多いのですが、原案がついているため、さほど破綻はなく、ミステリーとしてもきっちり楽しめます。
 また、一夜の出来事に限定しておりますので、ダレることがなく、ストーリーに疾走感が溢れているのもポイント高いです。
 ただ一つ、欲を言わせてもらえば、射原貴代光にはもっと天然ぶりを発揮してほしかったものです。
 ともあれ、怪奇マンガ・ファンでエロ・グロ耐性のある方なら手放しでお勧めできる作品です。
 電子書籍で簡単に読めますので、気になった方は是非読んでみてください。

 ちなみに、@巻には高田裕三先生(?)によるPRコミックの小冊子が付いております。
 これによると、高橋翔馬先生は「アナログで作画は一人でやってる」とのことで、かなりの画力の持ち主のようです。

2025年1月22〜24日 ページ作成・執筆

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