菊川近子「闇のシナリオ」(1993年2月13日第1刷発行)

 収録作品

・「闇のシナリオ」(1991年「月刊少女フレンド4月号増刊」)
「明るくて、クラスの人気者だった結貴が突然、マンションから跳び下り自殺する。
 自殺の原因は不明であったが、実は、ジュン、冴子、美加の三人が彼女の死に絡んでいた。
 三人は、結貴が万引きで捕まったことをネタに、強請続けており、彼女の遺書も三人が処分していた。
 次のターゲットとして、優等生の亜由美が、三人から万引きの濡れ衣を着せられ、脅迫される。
 だが、彼女達の周囲に、結貴らしき女子生徒が現れるようになり…」

・「幸運の罠」
「のぞみ、智子、由里は幼稚園の頃から親友同士。
 中学二年の夏から、受験勉強漬けでうんざり。
 そんな時、智子のもとに「幸運を招くペンダント」が送られてくる。
 それはティーン雑誌でよく紹介されている開運グッズで、差出人は不明であった。
 ペンダントを付けて以来、智子は次々と幸運に恵まれる。
 だが、デートに向かう途中、車道にとび出して、死んでしまう。
 更に、由里も同じペンダントをしていて、のぞみは不審に思う。
 このペンダントと、一年前の山での事故との関係とは…?」

・「冬の獲物」(1992年「月刊少女フレンド1月号増刊」)
「田舎の中学校に転校してきた相田和歌子。
 クラスメートからは暗くて、人付き合いが悪いと思われるが、それは家庭の事情故であった。
 彼女は身体の弱い母と安アパートで二人暮らしをしており、工場での仕事に追われる母の代わりに、全ての家事は彼女が担当する。
 更に、和歌子と母には、目立ってはいけない、隠れた理由もあった。
 ある夜、和歌子は、向かいのアパートを不審に思う。
 その部屋に住む、美しい女性の部屋に深夜、男が訪れるが、毎回、違う顔触れであった。
 しかも、その後、男は部屋から出てくることなく、作業服の男が二人やって来て、部屋から大きな段ボールを運び出すのである。
 和歌子は、女性の部屋で殺人が行われていのではないか?と疑惑を徐々に深めていく。
 そんなある日、その女性に和歌子は声をかけられ、部屋に招待されるのだが…」

・「邪心の輝き」(1992年「月刊少女フレンド9月号増刊」)
「16歳の誕生日プレゼントとして、亜由美は、親友の柊子(しゅうこ)から、水晶玉をもらう。
 柊子によれば、水晶は霊石として、とても質が高いらしい。
 しかし、以来、亜由美の周囲では不幸の連続で、恋人の園村にもふられてしまう。
 一方で、亜由美と同じ水晶玉を買った柊子は幸運に恵まれ、しかも、園村と付き合い始める。
 ある時、亜由美は、石と言っても「いいものもあれば、悪いものもある」という話を聞く。
 そこで、柊子を家に招き、就寝中に、水晶をすり替えるのだが…」

2020年8月16日 ページ作成・執筆

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