のなかみのる「恐怖学園」(1988年11月12日第一刷発行)

 収録作品

・「とかれた封印」
「裏に墓地がある学校が、ホラー映画の撮影現場に選ばれる。
 その映画の売りは、インドで死者を蘇らせるととの伝説がある「封印のドクロ」であった。
 夜、五人の生徒達が、映画の主演女優を見ようと、学校に忍び込む。
 だが、彼らは一人ずつ、姿を消していき…」

・「魂(たま)返りの雨」
「和久の恋人、真由美の謎の失踪。
 実は、彼女は、三人組の男に拉致され、山中で事故死した後、埋められたのであった。
 ある雨の日、彼女は蘇えり、男達に次々と復讐していく。
 彼女は、和久に会うことを望むのだが…」

・「見えない世界@ 亡魂」
「家の建て直しをするため、ある家族(両親と姉妹の四人)が貸家を借りる。
 姉の芳恵は、自分の部屋の押し入れに、日本人形があることに気付く。
 前の住人のものかと思い、気に留めなかったが、その夜、彼女の夢の中に、その人形を抱いた女の子が現れる。
 夢から覚めた後、彼女は金縛りに襲われ、部屋中でラップ音が鳴り響く。
 母親は彼女を信じてくれず、霊感の強い友人に家を視てもらおうとするのだが…」

・「見えない世界A 帰郷」
「美穂は、兄の結婚相手。
 結婚から三か月が経った頃から、突然、彼女は、別の人格になるようになる。
 彼女の不可解な行動はエスカレートする一方で、病院で診せても、おかしいところは見当たらない。
 ある時、兄は心霊研究家を招き、彼女に逆行催眠をかけてもらう。
 すると、彼女の前世は、スミという戦国時代に生きた娘であることが判明。
 彼女の一家は落ち武者達に皆殺しにされており、その供養のため、岩手県に向かうのだが…」

・「見えない世界B 口笛 ー魔女ラミアー」
「ある日、高校生の神保は、洋館からきれいな口笛が聞こえてくるのを耳にする。
 塀越しに覗くと、庭に美しい娘がおり、目が合う。
 翌日の下校途中、また様子を見に行くと、その娘は彼を招き入れる。
 彼女は唖らしく、筆談で「羅美亜(ラミア)」と自己紹介され、友達になってくれるようお願いされる。
 有頂天になった神保は、次の日も館を訪れるが、羅美亜の姿は庭にはなかった。
 彼が館の中に入ると…」

・「見えない世界C 黒い占い」
「よく当たると評判の星占いの雑誌。
 でも、マミにとっては、悪い占いばかり的中し、恋人のシゲルが純子に横取りされそうになっていた。
 雑誌の新刊には「ジャマがいなくなります」とあり、マミは気を取り戻すのだが…」

・「恐怖学園」(原作・宮崎まさる)
「深夜、四人の男女が、学校の屋上で、天体観察をする。
 そのうちの一人、ナオキは望遠鏡で、人物の石像が宙に浮いているのを目撃する。
 誰も信じてくれず、とりあえず、学校から出ようとしたところ、大地震に襲われる。
 宿直室に避難し、家に電話をかけるが、地震はなかったと言われる。
 テレビでも地震には触れてなく、それどころか、校舎は元通りで、地震のあった形跡は全くない。
 彼らは学校から脱出しようとするも、壁が崩れ、襲いかかってくる。
 理科準備室に逃げ込んだ彼らは、学校が生きていることに気付くのだが…」

 ダイナミック・プロ出身の才人、のなかみのる先生による、バラエティ豊かな作品集です。
 少年誌やホラー雑誌に掲載された作品を寄せ集めたものと推測いたします。
 こういった作品はまだまだ埋もれていると思いますので、まとめて復刻していただけると、ありがたいのですが…。

2020年4月20日 ページ作成・執筆

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