秋本葉子「蜘蛛女@」(2009年8月6日第1刷・2010年12月20日第4刷発行)

 河津チェリーは一見、普通の可愛らしい女の子。
 彼女は人の願いを叶えてくれるが、その代償とは…?

・「第一話 コピー」(2009年「なかよし5月号増刊 なかよしラブリー」)
「渡辺真帆は勉強が不得手な少女。
 彼女は伊藤という男子生徒に想いを寄せていたが、彼は成績優秀な高坂香苗に接近し、真帆は嫉妬の炎を燃やす。
 ある時、真帆は転校生の河津チェリーに「香苗みたいないい点とりたいんだ」とこぼす。
 チェリーは真帆の願いを叶えると言うが、以来、真帆はテストでトップをとりまくる。
 ただし、テストは香苗と同点で、間違えている所も一緒であった。
 真帆がチェリーを問いただすと、彼女のテストの答案は香苗のコピーに過ぎないと言う。
 それでも、伊藤のことを思うと、やめるわけにはいかず…」

・「第二話 消える」(2009年「なかよし7月号増刊 なかよしラブリー」)
「寿里はゲーム・オタクの少女。
 彼女はゲームをしている時が一番幸せであったが、いじめグループのリーダーのあすかに目を付けられていた。
 ある時、寿里は転校生の河津チェリーにあすかなんか消えればいいとこぼす。
 チェリーは寿里の願いを叶え、実際、あすかは存在そのものが消えてしまう。
 最初は戸惑うものの、チェリーにゲームと一緒を言われ、寿里は妙に納得。
 彼女はチェリーに気に入らない人間を次々と消してもらうのだが…」

・「第三話 ウソつき」(2009年「なかよし9月号増刊 なかよしラブリー」)
「小学生の京歌はとても信じやすく、友人からだまされてばかり。
 ある時、彼女は転校生の河津チェリーに「ウソがわかる方法」があれば…とこぼす。
 チェリーはその願いを叶えようかと京歌に尋ね、京歌がお願いすると、その時から京歌の目には嘘をついた人間が醜く見えるようになる。
 最初は怖かったものの、それさえ我慢すれば、人にだまされることはない。
 ところが、彼女の周りの人間が皆、醜く見えるようになり、彼女は疑心暗鬼へと陥っていく…」

・「親切な小人」(2008年「なかよし12月号増刊 なかよしラブリー」)
「相沢アサミは面倒臭がりな少女。
 彼女はグリム童話の「小人の靴屋」の話を読み、自分の家に小人が来ないかな…と願う。
 その夜、彼女は宿題を中途半端なまま放り出して寝てしまうが、翌日、何者かが彼女の宿題をやっていた。
 その日の夜、彼女が目を覚ますと、小人たちが彼女の作りかけのアクセサリーを作っている。
 小人たちは夜中にものを作ったり仕上げたりしてくれているらしい。
 どうやらお返しをする必要もないようで、アサミも小人たちにどんどん頼みごとをする。
 しかし、小人たちはどんどん数を増やして、仕事を求めるようになり…」

 秋本葉子先生の代表作「蜘蛛女」。
 「願いを叶える代わりに、最後はエサ」というのが基本的なパターンで、まとまりは良いのですが、餌食になるのは悩み多き年頃の少女たちなので、何か可哀そうな気が…。
 あと、「第二話 消える」は「ドラえもん」の「独裁スイッチ」だなあ…。
 ともあれ、河津チェリーが本性を現すシーンは非常にトラウマ度が高く、多くの少女たちに強烈な印象を与えたのではないでしょうか?

2025年11月17日 ページ作成・執筆

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