秋本葉子「蜘蛛女D」(2014年7月4日第1刷発行)

 河津チェリーは一見、普通の可愛らしい女の子。
 彼女は人の願いを叶えてくれるが、その代償とは…?

・「第十四幕 人間と動物」
「真島来美ははっきりした性格のため、周囲の反感を買い、孤立していた。
 ある日、彼女は公園でたくさんの犬猫を目にする。
 その可愛さに癒され、彼女が動物と話したいと願うと、見知らぬ少女が「そのねがい、かなえてあげよっか」と話しかけてくる。
 すると、来美は動物の言葉がわかるようになり、公園に集まっている犬猫は皆、野良であることを知る。
 彼女は動物たちと友達になり、動物たちも彼女のためなら何でもするようになる。
 ある日、彼女はクラスメートたちが猫たちの近くにいるのを見かけて、クラスメートたちを動物から引き離す。
 それはクラスメートたちが犬猫を傷つけないようにするためであったが、クラスメートたちは来美が自分たちを守ってくれたというふうに考える。
 これをきっかけに、彼女は友達のグループに入れてもらい、灰色の学校生活が一気に好転。
 しかし、今まで友達だった犬猫が邪魔になり…」

・「第十五話 伝える」
「坂井佳乃子は可愛く、モテる少女。
 彼女の親友、メイは地味だが思慮深く、佳乃子はいつも助けてもらっていた。
 ある日、彼女はメイにユウヤというボーイフレンドがいることを知る。
 ユウヤは別の高校の生徒で、どうやらメイとはうまくいっていないらしい。
 帰宅途中、佳乃子はメイがかなり悩んでいるように思い、彼女のために何かしたいと願う。
 そこに現れたのが河津チェリーで、チェリーは佳乃子がメイの代わりに彼氏と別れる手助けをしてくれる。
 それは佳乃子をメイとそっくりに変えることであった。
 メイに変身した佳乃子はユウヤに会いに行くと、ユウヤは一見、乱暴な青年であった。
 しかし、それは外見だけで、心根はとても温かく、優しい。
 佳乃子は別れを言いそびれ、もう一度、チェリーに頼み、メイに変身させてもらう。
 ところが、別れを言い出すタイミングが掴めず、更に、彼女は彼に想いを寄せるようになり…」

・「第十六話 指示」
「生徒会長の黒屋有加はあまりの忙しさにテンパり気味。
 ヒステリックな彼女に対し、副会長の沢邑は優しくて冷静で、有加はいつも助けてもらっていた。
 ある夜、有加のスマホに奇妙なメールが入る。
 メールには夜の1時11分に学校に行くよう指示がされていた。
 いたずらだと思い、また寝るが、窓に包丁の突き刺さった人形が投げつけられる。
 その後、またメールが届き、2時22分までに生徒会室に行くよう指示される。
 メールの目的を知るため、有加は夜の学校を訪れる。
 そこには同じメールをもらった沢邑も来ていた。
 二人が2時22分までに生徒会室に行くと、ひどく荒らされており、3時33分までに片づけるようメールが届く。
 生徒会室を片付けた後、今度は「4時44分までにたすけだせ」とメールが来る。
 二人が屋上に行くと…。
 このメールの発信者の目的とは…?」

・「第十七話 騒ぐ」
「久田茉樹はあるマンションの401号室に住む小学四年生。
 彼女は自分では頑張っているつもりだが、しょっちゅう失敗をして、お留守番もちゃんとできない。
 マンションの住人からはもっとおとなしくしてほしいと頼まれ、茉樹が戸惑っていると、最近、新しく入居した河津チェリーが「そのねがい叶えてあげよっか?」と話しかけてくる。
 以来、茉樹が騒ぎ出そうな時には部屋のものが勝手に動くようになる。
 隣人でOLの早苗が言うには、それはポルターガイストというものらしい。
 茉樹は原因がわからず、すっかり怯えてしまうのだが…」

 「蜘蛛女」最終巻です。
 もっと続いても良い作品だと思うのですが、「本当にヤバイ ホラーストーリー」シリーズはさほど、人気が出なかったのでしょうか?
 この単行本では「伝える」が凝った展開で面白かったです。
 でも、河津チェリーが余計なことをしなければ、悲惨な結末にはならなかったんですけどね…。(まあ、「蜘蛛女」はそんな話ばかりです…。)

2025年11月25・26日 ページ作成・執筆

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