はざまもり「階段は知っている」
(1985年4月14日第1刷・1988年9月12日第12刷発行)

 収録作品

・「階段は知っている」(藤本ひとみ・原作/「別冊フレンド」1984年1月号)
「森下麻美は、私立聖ロザリンド学園(何て物騒なネーミング…)高等部に入学する。
 この学園の校舎には木造の校舎が一部、残されており、木造の校舎には出入りできないよう鍵がかけられていた。
 噂によると、そこには「呪いの階段」があるらしい。
 階段の踊り場には鏡があり、鏡に映る女子生徒の幽霊を見た者は皆、死んでしまうと言われ、実際、何人か犠牲者が出ていた。
 そこで、学園長の綾瀬令子は変な噂が立つのを恐れ、箝口令が敷いていた。
 ある日、麻美の友人、岡田京子が近道するためにその階段を通った直後、倒れ、翌日、息を引き取る。
 麻美が、医者である兄に京子の死因を尋ねると、脳血栓を起こしたと聞かされるが、脳血栓の原因がわからない。
 麻美は、オカルト好きの平泉達也に、階段の一件について話す。
 彼は現場を見てみたいと、二人は夜の女子高に忍び込む。
 階段の踊り場にある鏡に、見知らぬ女子生徒の顔を見た直後、麻美は呼吸困難に襲われる。
 達也は彼女を外に運び出すも、彼も体調が悪化し、二人は道路で車にはねられる。
 達也がかばってくれたお陰で、麻美は一命を取り留めるが、達也は死亡。
 彼の死を無駄にしないため、麻美は「呪いの階段」について知れべる決意を固める。
 調査や聞き込みによって、徐々に真相が明らかになるが…」

・「眠れる星の高校生」(「別冊フレンド」1984年6月号)
「珠名のクラスに転入してきた川勝勝呂(すぐろ)。
 彼は二年ぶりに米国から帰国してきた。
 珠名は彼に憧れており、去年、エアメールを出すも、返事がもらえず、すっかりあきらめていたところ、いきなり彼から告白される。
 珠名は彼と付き合い始めるが、どこか違和感が拭えない。
 そんなある日、彼女のもとに、米国からエアメールが届く。
 それに書かれていたこととは…?
 そして、二人の周りに出没する外国人達の正体は…?」

・「羽をさがす少女」(「別冊フレンド」1984年4月号)
「瞳(♂)の父親は、春日野正一郎という有名な民俗学者。
 その父親が急死してから半年後、春日野家に草壁香澄という娘が訪れる。
 彼女は、春日野正一郎の大ファンで、そのコレクションを見るために、滋賀県の余呉からやって来た。
 だが、父親のコレクションは全て盗難にあい、スッカラカン。
 瞳は、香澄に頼まれ、泥棒を捜すことになるのだが…。
 草壁香澄の正体は…?」

 ミステリーもので今も活躍中の、はざまもり先生の初期単行本です。
 ミステリーだけでなく、SFやファンタジーの作品も収録されていて、こちらも悪くありません。
 個人的には、原作付の「階段は知っている」よりも、併録の短編の方が出来がいいと思います。

2021年5月15日 ページ作成・執筆

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