中岡俊哉・作/いけうち誠一・画「せまりくる霊障の恐怖 たたり」
(1986年10月25日第1刷発行)

・「第一部 たたり」
「1970年、大阪。
 葉賀山家には代々伝わる呪いがあった。
 産まれた時、身体の一部に梵字のアザがあり、成長するにつれ巨大化、最後は全身アザに覆われ、真っ黒になって死んでしまう。
 一家の人間はそのことをひた隠しにしていたが、長男の陽一が交通事故にあったことと、彼の子供の出産が重なったことから、大野医師はその事実に気づく。
 大野医師は、友人で心理学の助教授をしている西隆夫にこのことを話し、二人で葉賀山家を訪れる。
 門前払いにされそうなところを、一家の主人に呼び止められ、二人は事情を説明される。
 二人は、呪いの原因を突き止めるべく、葉賀山家の先祖について研究を始める。
 祖先は山形県の最上地方の武士で、妻は奈良県出身、そして、妻の祖母は巫女であった。
 明治になって大阪に出るが、梵字のアザの手掛かりは掴めない。
 ある夜、葉賀山家の主人が発狂し、日本刀で娘のマリを斬りつけ、その後、自殺する事件が起こる。
 このニュースを聞いて、大野と西隆夫は山形へ行く決意をするが、それに葉賀山家の長女、マリも同行する。
 彼女は身体のアザのために普通の女の子の生活をあきらめており、また、父親に襲われた際に、昔の武士と女性の怨霊を目にしていた。
 山形で、一行は葉賀山家に流れる「悪魔の血」の秘密を知る。
 「矢衛友忠の一族の恨み」とは…?
 そして、マリはこの呪いから自由になれるのであろうか…?」

・「第二部 たたりとは何か?」
 中岡俊哉先生が「たたり」について解説。
 羽田空港の赤い鳥居、千葉県館山市の幽霊屋敷(本間家の「人間の血で描かれた絵」)、埼玉県の国道の「魔のカーブ」、菅原道真の祟り、フランツ・フェルディナンド大公にまつわる二重の呪い…etc。

 ベテランのいけうち誠一先生が漫画化を担当しており、なかなか読ませます。
 ヒロインが地味に可愛いところもポイント高いです。(思春期の少年読者には嬉しい「脱衣シーン」あり。)

2022年5月17日 ページ作成・執筆

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