ふじいあきこ「闇からの来訪者」(1996年9月13日第1刷発行)

 収録作品

・「闇からの来訪者」
「子供を助けるために、交通事故にあった少年。
 彼を手術した医者達は、彼が人間でないことに気付く。
 少年は病院から逃げ出すも、記憶障害を起こしているため、自分の名前さえもわからないまま、町をさまよう。
 彼は、人を冷酷に殺すビジョン(映像)を見るが、どうやら、殺し屋だったらしい。
 そして、水たまりに写る、闇色の翼…。
 そんな時、彼は、自分と同じような雰囲気を持つ占い師に出会う。
 占い師は、彼のことを知っているらしく、彼の過去を見せる。
 殺し屋として死んだ彼は「闇」として生き返るが、「闇」となってからは人間の魂を喰らうことなく、光に近い存在であった。
 占い師は彼を自分のものにしようとするが、その時、少年は「クレアトール」の名を呼ぶ。
 そして、明らかになる少年の名、ルーシィ。
 二人の関係は…?」

・「闇の輪舞」
「百年ほど前、深い森の中で、クレイトー(クレアトールの以前の名前)は目覚める。
 彼を目覚めさしたのは、悪魔、アナスタシア。
 彼女は彼に、人間の「魂の狩り方」を教える。
 彼女に命を与えられた者はもう一人いて、その名はオルトス。
 彼は、人間と契約を結ぶことによって魂を得ようとはせず、快楽のためだけに若い娘を猟奇的に殺害していく。
 そして、クレイトーは、殺人犯と誤解した町の人々によって、射殺された旅行者であった。
 その町に、彼の行方を求めて、婚約者のリズが訪れる。
 クレイトーは、彼女を町から出ていくよう警告するのだが…」

・「闇の行方」
「クレイトーとルーシィは、同族の緋扇と出会う。
 緋扇の契約者は、二百年生き続けてきた男。
 彼は、天明の大飢饉の際、緋扇に妻子の魂を差し出し、以来、金で他人の命を買っては、緋扇に与え、不死の望みを叶えてきた。
 だが、悪魔にも寿命があり、緋扇の寿命はもうじき尽きるという。
 緋扇の思惑とは…?」

 あとがきで「何だかよくわかんない話になってしまいました。」と書いてあります。
 残念ながら、その通りの内容で、未単行本化の話があるのかもしれませんが、この単行本だけでは説明不足で、ストーリーを把握するのは困難でしょう。
 まあ、それは仕方ないとして、「闇の輪舞」は良いと思います。
 あと、ふじいあきこ先生は、JET先生と絵が似ているような気がします。何らかの関係があるのでしょうか?

2021年7月2日 ページ作成・執筆

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