摺澤翔
「僕たちは元気です@」(2018年4月9日第1刷発行)
「僕たちは元気ですA」(2018年6月8日第1刷発行)
「僕たちは元気ですB」(2018年8月9日第1刷発行)


単行本@(「マガジンポケット」2017年11月13日号〜2018年1月15日号)
・「第1話 遠くのあなたへ」
 2021年2月、ある病院に「前例のない患者」が運び込まれる。
 患者は心肺停止状態にあったのに、突如、目を覚まし、人々を襲い始める。
 襲われた人も患者同様、「怪物」(別名「肉喰い」)と化し、爆発的に増加、二週間も経たないうちに日本中に溢れかえる。
 そのような状況下、わずかな生存者の中に富岡裕貴(22歳)と富岡唯(14歳)の兄妹がいた。
 二人は12年前に別れた母親に会うため、長野から東京まで徒歩で移動を試みる…。
・「第2話 助け合いの精神」
 二人は山中の排水管の中で休む。
 朝、裕貴が目覚めると、唯が見知らぬ中年男と一緒にいた。
 中年男は唯の命の恩人で、名前は山下ヨシヒロ(41歳)。
 彼は山奥にある家で、家族三人で暮らしており、裕貴と唯に家で休むよう誘う。
 家で二人はヨシヒロの息子、山下トラを紹介され、皆で食事をする。
 裕貴はヨシヒロが何故こんなに親切なのか訝るのだが…。
・「第3話 3人目の家族」
 シャワーの後、裕貴はトラと話をしているうちに、二階を怪しく思う。
 彼が二階の部屋に駆け込むと、ヨシヒロと唯の姿があった。
 裕貴はヨシヒロから彼の妻のヤスコを紹介されるのだが…。
・「第4話 家族の呪縛」
 裕貴は唯を抱いて、部屋から逃げようとするが、背後にはヤスコ、入り口にはボーガンを構えたトラがおり、進退窮まってしまう。
 ボーガンを構えたトラの決断は…?
・「第5話 受け入れた先に」
 ヨシヒロは息子が自分の言いつけを破ったことに激高し、彼に詰め寄る。
 首を絞められながら、トラが父親に投げつけた言葉とは…。
・「第6話 進むべき先に」
 山下家と別れた後、二人は山中の車道をひたすら進む。
 途中、食料を得るために、二人は楡原という町に寄ることにするが、バスが横転して道を塞いでいた。
 バスの上に上がると、道の先は楡原から来た怪物たちで溢れかえっており…。
・「第7話 迫り来る脅威」
 怪物たちは横転したバスを押しのけ、裕貴たちに迫ってくる。
 怪物の動きはのろく、距離を取った後で逃げ道を探すつもりであったが、走ってくる怪物やダイビングしてくる怪物がおり、裕貴たちは窮地に…。
・「第8話 打開と急転」
 突如、現れた三人組。
 彼らは素手を怪物たちに突き出すだけで、怪物たちは踵を返して退散する。
 裕貴が何をしたのか尋ねると、中の一人がスプレーを取り出し…。
・「第9話 地上の楽園」
 裕貴が目覚めると、そこは「楡原ワンダーランド」という遊園地の中であった。
 ここには怪物はおらず、子供、老人、妊婦までもが平和に暮らしている。
 裕貴と唯はナカジマケンジという男性から事情を説明してもらう。
 ナカジマケンジは国際感染症研究所の元職員で、ここでは「対肉喰い用ワクチン」の開発を行っていた。
 彼らは「肉喰いを寄せ付けなくするワクチン」の開発に成功するのだが…。
・「第10話 笑顔と善意」
 裕貴と唯はナカジマケンジからワクチンを渡される。
 それさえ飲めば、ここに滞在しても、旅を続けてもどちらでもかまわない。
 その時、「K」という名のガスマスクをつけた大男が現れる。
 彼は「ワクチンはまやかし」と訴えるも、誰にも相手にされず、注射で眠らされる。
 この出来事で裕貴はナカジマに不審を抱くのだが…。

単行本A(「マガジンポケット」2018年1月22日号〜4月16日号)
・「第11話 染み付いた希望」
 ナカジマだけでなく住民たちにワクチンを飲むよう促され、裕貴はますます警戒感を強める。
 彼はワクチンを飲むことを拒否するが、唯はワクチンを飲んでしまっていた。
 その後、裕貴と唯は遊園地を後にするのだが…。
・「第12話 支配者」
 突如、唯は笑顔になり、遊園地に駆け戻る。
 裕貴は唯を追って遊園地に戻り、ナカジマからワクチンの正体を教えられる。
 この「楽園」の秘密とは…?
・「第13話 疑惑の男」
 裕貴もワクチンを飲まされるが、Kにより助けられる。
 Kは裕貴に「妹を助けたくはないのか?」と問いかけ、彼を地下室に案内する。
 地下室に保管されていたのは…?
・「第14話 ワクチンの正体」
 遊園地の住民が「怪物」を退散させた本当の理由が明らかとなる。
 Kとナカジマは仕事仲間であったのだが、彼らに一体何があったのだろうか…?
・「第15話 欲望の獣」
 今、幹部ビルの屋上では「宴」が始まっていた。
 今晩、ナカジマに捧げられるのは裕貴の妹、唯。
 Kが騒ぎ立てて、住民を引きつけている間、裕貴は幹部ビルに侵入する…。 ・「第16話 命のやり取り」
 裕貴は屋上を目指して進むも、屋上に続く階段の手前には筋肉ムキムキのマッチョマンが見張りでいた。
 裕貴の攻撃は全く通用せず、彼は窮地に追い込まれる…。
・「第17話 覚悟の有無」
 裕貴に命の奪り合いをする覚悟がないと嘲笑うマッチョマンに裕貴は口の血を吐き、目潰しを食らわせる。
 裕貴は転倒したマッチョマンの顔面にリュックを叩きつけるが、その中身とは…?
・「第18話 降参だ」
 裕貴は幹部ビルへの屋上へとたどり着く。
 ナカジマは自分の負けを認め、裕貴たちにここから去ることを認めるが、裕貴は彼を信用せず、彼の企みをぶっ潰す考えであった。
 裕貴を前にナカジマは「降参」の意を示すのだが…。
・「第19話 捕まえた」
 狡猾なナカジマの罠にはまり、裕貴は手ひどい傷を負わされる。
 ナカジマは裕貴に「最後のチャンス」として、ある決断を迫るのだが…。
・「第20話 人の信念」
 屋上に現れたマッチョマン。
 ナカジマは屋上から逃れ、自分の勝負を確信するが…。
 最後に勝つのは…?
・「第21話 私がなんとかする」
 遊園地から脱出し、裕貴たちはギフトショップにたどり着くものの、裕貴は傷がひどく意識を失ってしまう。
 そんな時、ムラタ(中年/高校の元英語教師)、タイスケ(元引きこもり)、マリナ(元引きこもり)の乗った車が通りかかり、三人はギフトショップの様子を見に行く。
 唯は三人に兄を助けるよう頼むのだが…。
・「第22話 私にできること」
 裕貴と唯はムラタの家に連れてこられるが、裕貴の状態は悪化の一途をたどっていた。
 医者はここにはおらず、裕貴が助かるかどうかは天に任せるしかない。
 打ちのめされる唯を前にして、ムラタは「市内の総合病院に一人医者が取り残されている」という噂話を思い出す…。
・「第23話 少女の覚悟」
 兄を救うため、唯は一人で総合病院を訪れる。
 シャッターの隙間から中に潜り込むと、廊下は怪物でぎゅうぎゅう詰めになっていた。
 唯は奥の部屋にたどり着けるのだろうか…?

単行本B(「マガジンポケット」2018年4月30日号〜7月16日号)
・「第24話 デメキン」
 唯はようやく管哲平という外科医と出会う。
 管はここで「デメキン」という怪物の観察を続けていた。
 「デメキン」は両目が突き出し、口からは酸性の粘液を噴出する触手が伸びており、「人喰い」が進化した個体らしい。
 一方、ムラタとマリナは唯を救うため、病院にやって来る…。
・「第25話 医者・管哲平」
 管哲平に手術を受け、二日後、裕貴は奇跡的に回復する。
 大はしゃぎする唯の横で、ムラタは管の研究資料に目を通していた。
 そのファイルの中に…。
・「第26話 俺たちゃ人間だ」
 夜、裕貴たちはムラタにある提案を受ける。
 それは、これから先、一緒に行動して、東京にあるらしい救護施設を目指そうというものであった。
 だが、裕貴はこれまで散々人にだまされてきたため、ムラタの提案を素直に受け入れることができない。
 そんな彼にムラタは…。
・「第27話 教師の役目」
 デメキンの出現により状況が一変する。
 ムラタは車で町を脱出しようとするが、助けを求める男が車にすがりつき、運転席の窓ガラスをぶち割る。
 男は車に乗せるよう脅すが、彼はデメキンに感染しており…。
・「第28話 生きろ」
 夜、彼らは山中で焚き火を囲む。
 マリナが席を外した間にタイスケは、マリナのこと、そして、ムラタがマリナに教えようとしていたことについて話す…。
・「第29話 生存者の刃」
 裕貴たちは車で山中の県境まで来るも、デメキンと遭遇してしまう。
 後戻りはできず、突っ切ろうとしたところ、粘液がタイヤにかかってパンクしてしまい…。
・「第30話 安堵と裏切り」
 車から脱出した彼らの前に現れた老婆。
 老婆はでかい肉切り包丁で切りつけてくるが、彼らが人間と知ると、彼らを山中の自宅へと招く。
 唯が老婆に包丁についていた血について尋ねると…。
・「第31話 殺すつもりだ」
 昼食の後、裕貴たちは自分たちが壊した小屋の片付けをすることとなる。
 その最中、上空を飛ぶ飛行機から多数のビラがまかれるのを目にする。
 そのビラは防衛省からのもので、避難命令が書かれており…。
・「第32話 東京より」
 東京の救護施設。
 避難民たちは政府が行ったことに抗議し、立ち上がる。
 彼らのリーダーは一人の女性で、彼女が政府に要求することとは…?
・「第33話 繋がる希望」
 避難民たちは陸路と施設との間の唯一の道、ゲートブリッジの前に押し寄せる。
 軍の責任者は避難民たちのリーダーと話し合いの場をもうけるのだが…。
・「最終話 僕たちは元気です」
 遂に裕貴と唯は東京に到着する。
 だが、東京はほとんど廃墟と化していた。
 銃を持った兵隊のような人たちを見かけ、二人が逃げようとした時、女性の声が彼らに呼びかける…。
・「エピソーグ」
 一ヶ月後、裕貴は人々と共に復興に励んでいた。
 作業が終わり、帰ろうとした時…。

 タイトルからは想像がつかないと思いますが、「ゾンビもの」です。
 作中では「怪物」「人喰い」と呼ばれ、「八尺様」のように「ポポポポ」鳴いたり、変なモンスターに進化したりしてますが、やっぱり、「ゾンビ」です。
 新人漫画家らしく、かなり頑張って描いており好感は持てるものの、途中、打ち切りにあったようで、三巻の2/3あたりからストーリーが急展開し、作品の出来としては中途半端なものとなっております。(説明不足も多く、これもネックです。)
 そこが評価の分かれ目ではありますが、個人的には意欲作と考えております。
 もっと作品の世界を広げることができたら良かったのですが…。

2026年4月7・17〜19日 ページ作成・執筆

講談社・リストに戻る

メインページに戻る