日野日出志「地下室の虫地獄」(1988年9月13日発行)
「お化け屋敷と呼ばれる、古いレンガ造りの巨大な洋館。
半ば廃墟と化した、その邸には、昆虫学の世界的な権威である男が住んでいた。
部屋には標本だけでなく、様々な虫が無数に飼われており、広大な庭や温室はまさしく虫たちのパラダイスであった。
近所に住む白沢百合は、その屋敷が気になって仕方がない。
常に、屋敷からあの男が彼女を見つめている気がするのだ。
ある夜、彼女は、窓から侵入した怪物から首の血を吸われるという夢を見る。
その夢を見た後、彼女は、何者かに呼ばれ、あの屋敷へ夢遊状態のまま、入っていく。
そこで、彼女を待ち構えていたのは、鬱蒼としたジャングルと巨大な昆虫達であった。
一方、屋敷の近辺では、行方不明者が続出する。
百合の父親は、あの洋館が怪しいと睨むのだが…」
日野日出志先生の作品(描き下ろし?)でありますが、正直なところ、出来は芳しくないと思います。(と言うか、日野先生本人が描いたかどうかも謎。)
後半は、ムロタニツネ象先生「虫地獄」(「人形地獄」収録)、もしくは、いけうち誠一先生「小ちゃくなあれ」(「恐怖の叫び」収録)のような感じで、二番煎じの感が否めません。
また、B級ホラーのようなラストも、かなり安直だと思います。結局、虫男の正体は何だったのか、全く説明はありません。
ぶっちゃけ、やっつけ仕事だったのではないでしょうか?
2019年8月22日 ページ作成・執筆