阿木二郎「やさしい死神」(200円)
「谷口美樹子は、父親が社長のお嬢さんであった。
が、母親が典型的な教育ママで、四六時中、勉強のことをガミガミ言われ、全く面白くない。
そんな彼女の前に、年老いた易者が現れ、自分の指示に従えば、テストで満点が取れると言う。
それは、易者が渡す手紙を、クラスの担任の浜島先生に誰かわからないよう渡し、夜の八時頃、校庭のクスの木の穴を調べる、というものであった。
翌日、易者の言う通り、教壇に手紙を置いておくと、浜島先生は明らかに動揺を来たし、体調不良を理由に授業を途中で脱け出してしまう。
何かおかしいと思いつつも、夜、校庭のクスの木の穴の中で、美樹子が見つけたものは、テストの回答が書かれた紙であった。
このことに有頂天になり、美樹子は、易者の老人に言われるまま、同じことを何度も繰り返す。
しかし、この手紙は、病気の妹のために、浜島先生が学校の金を盗んだことを脅迫する内容であった。
浜島先生は差出人不明の手紙のために憔悴し、病気の妹も様子がおかしいと思うようになる。
そして、差出人が美樹子であることが浜島先生にばれた時…。
易者の老人の真の目的は一体何なのであろうか…?」
スッキリしない話です。
ヒロインに全く同情ができないんですけど…。
ともあれ、ジャケットは素晴らしいので、そこだけは忘れずに観賞してくださいませ。
・備考
ビニールカバー貼り付け、それによる歪みや痛み。糸綴じあり。カッターらしきもので二か所刺されており、切り傷が本の半分以上に達している。前後の遊び紙に貸本店のスタンプや書き込みあり。全体に渡って、シミ多し。pp95・96、pp109・110、ページ端、小欠け。
2016年5月23日 ページ作成・執筆