阿木二郎「眠り館の少女」(200円)
「高校生、板倉真也が喫茶店で見かけた少女。
セーラー服に、サングラスというちぐはぐな外見。
最初は不良少女かと思ったが、真也は少女の上品な顔立ちに惹かれ、興味を持つ。
再び喫茶店で見かけた機会に、真也は少女の後をつける。
すると、少女は、豪勢だが古びた西洋館に入っていった。
近所の人に尋ねると、西洋館にはおかしな少女と老婆の二人暮らしとのこと。
また、少女は別に目が悪かったり、おかしかったりするわけではないらしい。
朝早く、花壇で花の世話をしていると聞き、真也は翌朝、西洋館の少女を訪ねる。
あわててサングラスをかける少女。
真也が目について質問すると、少女は自分の目が「恐ろしい目」だとつい漏らしてしまう。
しかし、それ以上、少女は答えようとはせず、しつこく問い質そうとする真也の前に、屋敷の老婆が現れる。
真也をねめつける老婆を少女はなだめ、真也は朝食の同伴に誘われる。
屋敷の中に興味津々な真也は、少女の両親の絵に目を止めるが、それが描かれたのは半世紀以上も前であった。
塚原久美子という名の少女の目の謎、そして、この絵の謎…。
この二つの謎を解くことを真也は決意するが、それが悲劇を招くこととなる…」
ネタばれですが、この少女の目の秘密は「人を支配してしまう」催眠術の眼とのことです。
あとがきによると、催眠術におとぎ話の要素を取り入れた、「いわばシャルル・ペローの「眠れる森の美女」のスリラー版」と作者は書いてます。
まあ、そこまで仰々しいものでもないのですが、そこそこ面白いと思います。
ちなみに、鈴原研一郎名義の「リナは眠る」(貸本/曙出版・文華書房)にてリメイクされております。
・備考
カバー欠け(表紙のイラスト、いいのに残念…)。pp1・2、ページが留金から外れて、上部に破れ。貸出票貼り付けあり。
2016年10月26日 ページ作成・執筆