松下哲也「月夜の死人」(170円)
「中学一年生の高子と、枝本先生は犬猿の仲。
高子は枝本先生から差別されていると感じ、一方の枝本先生は高子を可愛げがない娘だと嫌い、互いに憎しみは募るばかり。
しかし、ある日、高子は、枝本先生がデパートで高級香水を万引きするところを写真撮影することに成功する。
以来、立場はすっかり逆転し、高子は枝本先生を脅迫。
そればかりか、今までの意趣返しと、枝本先生に散々な嫌がらせを行う。
七月の半ば、枝本先生の引率で、高子を含む四人の生徒は磐梯山でキャンプを行う。
夜、枝本先生は高子と二人きりで五色沼へ行き、彼女を殺そうとするのだが…」
松下哲也先生の初期の作品です。
欄外のコメントによると「今年十八才のハイティーンです。ウラナイにこっている不思議な男の子です」とのこと。
宏文堂でバリバリ「少女スリラー」を描いていた池川伸治先生に弟子入りしており、非常に影響の濃い絵柄です。
内容的には、ストーリーが説明不足で、構成に難がある感じではありますが、ところどころ、ハッとさせられるシーンがあって、好きだなあ〜。
ちなみに、巻末には、師匠の池川先生による「ハイティーン講座 愛について」(ローティーンは読んだらダメなんだってさ)と、夏川ちさと(池川伸治先生のペンネームの一つ)の短編小説「私の心の花」が収録されております。
・備考
ビニールカバー剥がし痕あり。カバー貼り付け、また、カバー破れや裂け。背表紙色褪せ、かつ、痛み。糸綴じあり。見返しノドに補強。p1のタイトル表紙に、落書きあり。pp31・32、下部に若干、コマにかかる欠損が二か所。後ろの遊び紙に書き込み、貸本店のスタンプ、紙の貼り付けあり。
2020年6月9日 ページ作成・執筆