阿木二郎「ゆがんだ少女」(190円)
「内村有美子は、ロケを覗いている時、ヤナセプロダクションの社長にスカウトされる。
父親の了承も得て、有美子はスター候補となるが、ボーイフレンドの明は嫌な噂を聞く。
ヤナセプロダクションは死神プロと言われ、何人ものスターが病気か何かで引退していた。
しかも、尾形市の劇場、オデオンでショーを開催している時のことで、突如、全身に原因不明のできものができたためであった。
その話を聞き、明は尾形オデオンへと向かい、呪われていると噂の井戸を調べる。
呪いの井戸では、ヤナセプロのスターの堺みゆきが急に二目と見られぬ顔となった後、投身自殺をしていた。
以来、この劇場では、ヤナセプロのスターが次々と同じような目にあう。
一方、有美子はスターへの階段を駆け上り、大人気となっていた。
彼女は尾形イデオンからの出演依頼を受け、そこでショーを開くこととなる。
井戸の呪いは実在するのであろうか…?
そして、有美子の運命は…?」
芸能界を舞台にしたスリラーです。
鈴原研一郎先生の作品なので、今となっては他愛のない内容ですが、当時(1963年頃?)のスターの描写が興味深くありました。
あと、途中の休憩コーナーにて、鈴原研一郎先生がスリラー映画について語っております。
「四谷怪談」「吸血鬼ドラキュラ」「光る眼」「顔のない眼」「鳥」は褒めてますが、「マタンゴ」はあまり怖くない、「たたり」はよくわからない、との感想です。
・備考
ビニールカバー貼り付け。pp3〜6、ページ端が何故か切り取られている。p1・8・10・74、テープ補修。読み癖がひどく、キレ、シミ、汚れ、裂け、多数。巻末の見開きに書き込みと押印。
2021年11月6日 ページ作成・執筆