どやたかし「悪魔の子守唄」(220円)
「両親を亡くし、爺やと共に伊豆の海岸に暮らす葉山武子。
一度も見たことがない祖父の遺産が転がり込み、一夜にして、武子は大金持ちになる。
豪邸暮しの身となるが、彼女は祖父の肖像画や熱帯魚が子守唄を歌う幻覚に悩まされる。
祖父の親戚、かつ、医者の卵である哲也は、武子をノイローゼと診断して、一年間の海外旅行を提案する。
武子は提案を受け入れ、旅行の間、爺やにも温泉にでもつかって骨休めをするよう言う。
旅行の出発の際、武子は乗船しているのに、下船扱いされそうになる。
更には、自分の船室のベッドには、いつの間にか銃が置かれていた。
自分が狂っていると思い、一度は自殺しようとするものの、しそびれる。
気を取り戻した武子は海外旅行をエンジョイするが、途中でホームシックにかかり、日本でクリスマスを過ごすべく、シンガポールから大阪へ飛行機で向かう。
しかし、大阪から東京への電車の中で、武子は、自分がピストル自殺をしたという記事を目にする。
慌てて自分の邸に駆け付けると、自室のベッドには自分の死体があった。
武子は本当に気が狂っているのであろうか…?
そして、彼女に付きまとう、祖父にそっくりな老人とは…?」
後書きには、ピッツバーグで実際にあった話をアレンジしたものと書かれております。(どんな事件かは確認取れておりません。)
ただし、もとになった話があるわりには、釈然としないところだらけで「トホホ…」です。
ラスト、一応の謎解きはあるのですが、ちっとも納得できない…。
残念ながら、失敗作だと思います。
・備考
カバー痛み、背表紙の下部に欠損、背表紙上下裏に補修。前後の見開きのノド、大きな剥げ痕、あり。糸綴じの穴あり。
2018年2月26日 ページ作成・執筆