いなば哲「双生児殺人事件」(170円)
・「双生児殺人事件」
「伊藤家の主人は、双子の弓次郎と恵美之助。
使用人、長島王之進が止めるのも聞かず、二人は家督を巡り、醜くいがみ合う。
遂に二人は真剣勝負することとなるが、恵美次郎に肩入れする、下女のお福の策略で、弓次郎は敗北。
捨て台詞を吐きながら、弓次郎は屋敷を出ていくのであった。
その夜、何者かが就寝中の恵美之助を扼殺して、その死体を運び出し、川に投げ込む。
翌朝、恵美之助は王之進とお福の二人に弓次郎による復讐に注意するよう促し、王之進に弓次郎を斬るように命ずる。
命令に従わなければ、屋敷を追い出される身、王之進は弓次郎を探しに外出する。
すると、川岸で土左エ門となった弓次郎を発見。
寝間着姿であることを訝りながらも、亡骸を樽に入れて、屋敷に戻るのだが、屋敷では弓次郎が現れたとお福が騒いでいた…」
・「消えないローソク」
「職にあぶれ、素寒貧に空きっ腹、八方塞の武士。
彼はこんな世を呪い、世間の奴らに復讐したいと憎悪の炎をたぎらせていた。
そんな彼に声をかけたのが、手にローソクを持った悪魔であった。
武士が心から悪魔になるのなら、悪魔は自分のローソクを三日間貸そうと提案する。
そのローソクを手にしている間は何でも自分の思い通りになり、何でも盗り放題、誰でも殺し放題なのであった。
悪魔の言う通り、ローソクの魔力は絶大で、武士は大金を入手するのだが…」
・備考
ビニールカバー貼り付け。背表紙色褪せ。大きなホッチキスのようなもので綴じあり、そのため、pp1〜3が開いて時に破れている。後ろの遊び紙に貸出票の貼り付け。
2016年3月10日 ページ作成・執筆