竹田慎平「人間狼」(150円/1957年5月10日発行)




「狼山を二人の研究者が訪れる。  一人は狼の研究家の黒井輪三博士、もう一人は植物研究家の牧田龍二博士であった
 牧田博士は薬草の調査に夢中になり、奥へと進むと、落武者の隠し財産を見つける。
 地図も手に入れ、牧田博士は有頂天になるが、その時、狼の群れに包囲されていた。
 牧田博士の悲鳴を聞き、黒井博士は銃を持って駆けつけ、狼を追い払う。
 だが、牧田博士は狼に噛まれ、毒素に侵されていた。
 そのため、彼は月光を浴びると発作を起こし、狼に変身してしまう。
 黒井博士は金塊と交換に牧田博士へ一時的な解毒液を渡すが、真の目的は財宝の地図であった。
 探偵少年の健二は狼人間のニュースを聞き、黒井博士と牧田博士が臭いと睨む。
 彼は解毒液を盗み出し、解析に回すが、黒井と牧田はそれを取り戻そうと血眼になる。
 解毒剤を失った牧田博士は満月の夜、狼に変身して、町で大混乱を起こす。
 それに乗じ、黒井博士は牧田博士の家に侵入し、財宝の地図と牧田博士の娘と共に逃走しようとするのだが…」

 「人間狼」というタイトルと表紙で、狼人間の凶行を描いた内容なのかと思いきや、基本は「少年探偵もの」で、意外にも怪奇色は薄いです。
 狼人間も外見はモンスターですが、人としての意識があるので、そこまで乱暴なことはしません。
 でも、後半、町で警官隊を相手に大暴れするシーンはとてもダイナミックで、今見ても、この躍動感は見事だと思います。
 当時としては良作なのではないでしょうか?
 にしても、謎なのは作者は「竹田慎平」と背表紙でも奥付でもなっているのに、中表紙では「竹倉俊介」になっていること。
 もしかして、「竹倉俊介」は「竹田慎平」の別のペンネーム?

・備考
 パラフィン紙貼り付け、また、剥がし痕あり。冒頭、割れが幾つかあり(私がやりました…)。pp9・10、pp53・54、pp89・90、大きな裂け。pp57・58、下隅にコマにかかる欠損。後ろの遊び紙に書き込み。

2024年11月7日 ページ作成・執筆

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