黒田みのる
「ダイヤ少女」(1978年5月10日初版発行)
「続ダイヤ少女」(1978年6月15日初版発行)
「続々ダイヤ少女」(1978年7月15日初版発行)
・「ダイヤ少女」
「岡田マヤは中学一年生の少女。
父親は小説家で、何度も引っ越しをしており、今度の引っ越し先はある漁町であった。
ある日、マヤは、クラスメートの松村史郎の父親の船で、漁に連れて行ってもらう。
だが、全く魚はおらず、帰ろうとした時、彼女は、海面から幾つもの手と顔が浮き出るのを目にする。
それは何故か、彼女にしか見えなかった。
帰港の際、岬の堤防に建てられた白い家から、奇妙な男が彼女を見つめる。
男は彼女に「にげるんだ!どこまでもにげるんだ!」と話しかけるが、その声も彼女以外には聞こえていない。
これらの奇妙な体験から、彼女はあることに気付く。
それは、彼女にはどうも霊能力があるらしく、彼女が不思議な体験をするたびに、両親が引っ越しをしていたということであった。
それから一週間後の放課後、マヤは、野球のボールが頭に直撃しそうになるが、なにものかに守られるという体験をする。
しかも、彼女の周囲には、ダイヤ型の足跡があった。
彼女は松村史郎に、今度の日曜日、岬の堤防の家に連れて行ってくれるよう頼む。
当日、雨の中、二人はその家を訪れるが、そこはもう引っ越した後であった。
だが、開かなかったはずのドアの鍵が開き、二人を中へと誘う。
そこの二階には、あの男の霊体がいて、マヤに彼女の秘密を話すのであった…」
・「続ダイヤ少女」
「マヤの使命…それは、金と物に溺れた人類はこのままでは滅ぶということを人々に伝え、人々に心を取り戻させることであった。
だが、それを知ってから、マヤ、彼女の両親、そして、松本親子は、様々なところで、ダイヤの印を目にするようになる。
実は、人類を六度破滅に導いた悪神が、マヤの使命を阻止しようと企んでいたのであった。
悪神の奸計にはまり、マヤの両親は死亡。
今わの際に、彼女は、自分が両親の子供でないことを告げられる。
一人ぼっちになったマヤは、自分の過去について知るため、祖母のいる実家に、史郎と共に向かうのだが…」
・「続々ダイヤ少女」
「松本家に引き取られたマヤ。
彼女と史郎は学校へと行くが、生徒や先生達は悪霊に憑りつかれ、彼らに襲いかかる。
マヤは、神のパワーを得て、悪霊達を撃退していく。
その夜、マヤ達は悪神達に罠を仕掛ける。
それは、史郎がマヤに化けて、悪神達にわざとさらわれるというものであった。
そして、悪神達が集まったところでマヤの力で一網打尽にする計画であったが、悪神達の方が一枚上手で、喉を潰されたマヤは呪文を唱えられなくなる。
悪神はマヤ達を絶体絶命のピンチに追い込むのだが…」
「ダイヤ少女」というタイトルですが、別に少女がダイヤモンドでできてるわけではありません。
また、背表紙のイラストでは少女の目がダイヤになってますが、そんなシーンもありません。
ダイヤなのは悪神や悪霊の方で、過去、物質的欲望に支配され、滅んだ人類が、滅びる際にダイヤを手に持っていたために、ダイヤの形をした悪霊になったらしいです。(でも、実際のところは何なのかよくわからない。人が殺された時、身体にダイヤの形があく描写は、かなりのインパクト!)
結局は、何も考えずに名前を付けたタイトルっぽいです。
でも、この「ダイヤ少女」、人類の絶滅を扱っているだけに、やけにスペクタクルです。
完結編(「続々ダイヤ少女」)では、津波・地震・惑星の接近に、黒田みのる作品ではおなじみの「火の洗礼」(悪い霊魂を消滅させてしまうそ〜な)、更には、UFOまで出てくる大盤振舞で、理解はさっぱり不可能ですが、なんちゅ〜か、凄いです…。
興味を持たれた方には是非とも一読をお勧めしますが、プレミア価格で入手するほどの内容ではありませんので、そこはご注意くださいませ。
2020年9月19・20日 ページ作成・執筆