黒田みのる「犬と悪霊」(1991年3月25日第1刷発行)
収録作品
・「グレーラブ」
「倉田潤は、理佐に堕胎手術を受けさせる。
理佐のお腹の中の子供は、彼と血がつながっていないためであった。
このことをきっかけに、潤は一念発起し、再び小説に挑戦する。
一年後、潤は作家として地位を固めつつあった。
また、理佐は、彼の子供を妊娠して七ヶ月になる。
ある日、二人が車に乗っていると、トラックが車に突っ込んでくる。
理佐は病院に運ばれ、難しい手術を受ける。
潤は医者に理佐と赤ん坊を助けてくれるよう懇願するのだが…」
・「見えない世界 心霊質問箱 解答・黒田みのる」
「額の真ん中にほくろがあると霊感が強いんですか?!」
・「生きものの日」
「東京から京都へと向かう下りの新幹線「ひかり」。
その日は奇妙なことに線路にヤスデが大量発生したり、走行中にカケスの群れが突っ込んできたりする。
更には、新幹線内に持ち込まれた毒蛇や猿、猫が客室で大暴れ。
これらは何かの予兆なのであろうか…?」
・「ビバ!青春霊歌」
「あるマンションに住むモデル女性、柳広子。
彼女はマンションのいろいろな男と寝ており、特に、一階の喫茶店のマスター、ひ弱な男子学生、ガタイのいい男性の三人は彼女にメロメロ。
ある日、遠方に撮影に行ったはずの彼女が、予定よりも早く帰ってきて、喫茶店を訪れる。
彼女は喫茶店にいた男三人に、自分の部屋に来るよう合図をする。
男達は有頂天になるのだが…」
・「熊やまへの径」
「敏夫は、妻から父親との同居の承諾を得て、父親を迎えに行く。
父親は閉山した炭鉱の町に住んでいた。
町はすっかり寂れていたが、ここには父親の他にもう一人、若い娘がいた。
彼女はこの町での少女時代が恋しいから、ここにいると言うが、熊を連れていて、全く得体が知れない。
父親はこの荒れ果てた炭鉱町に執着しており、敏夫も数日いるうちに、ここで暮らしたいと思うようになる。
だが、父親によると、この町をぶち壊しに来た奴がいるらしい。
寂れた炭鉱町で進む陰謀とは…?」
・「パープルデート」
「中川美奈は、課長との儚い不倫の後、優という青年と知り合う。
彼は美奈の幽体を美しいと褒め、それは崇拝しているようであった。
優は、彼の故郷の近くの町に、美奈と共にひっそりと移る。
だが、職探しの間のつなぎのアルバイトで、優は事故にあう。
優の事故は彼の郷里の親戚達の知る所となり、親戚達は彼を引き取る。
彼には亡くなった両親の遺産があった。
美奈は親戚達に彼との最後の面会を許され、彼の病室を訪れる。
優の顔は包帯でぐるぐる巻きにされていた。
彼は自分の顔が化物のようになっただけでなく、財産目当ての親戚達の醜い心の波動で幽体が再起不能なまで傷ついたと話す。
彼に別れようと言われ、美奈は町から出て行こうとするのだが…」
・「犬と悪霊」
「若き霊能者、倉橋美子はある相談者の家を訪れる。
相談とは、飼い犬のネッシー(なんちゅうネーミング…)が最近、よく吠えるというものであった。
美子はその家の付近で西洋の悪魔のようなものを目にする。
ネッシーが吠える理由とは…?」
動物が出てくる心霊コミックをメインとした単行本です。(「グレーラブ」「パープルデート」は例外ですが…。)
「生きものの日」と「熊やまへの径」は古い作品です。
「生きものの日」は動物パニックものとして、それなりに面白いですが、「熊やまへの道」は何回読んでも、よく理解できません。
「犬と悪霊」は、犬に負ける西洋の悪霊って…。
2022年12月28日 ページ作成・執筆