杉戸光史「どくろ塚の少女」(1973年12月15日発行)

 収録作品

・「どくろ塚の少女」(1972年1月20日完成) 「K市中央にある首塚公園。
 その名は、この一帯を領した大槻氏の一人娘、雪姫が、わがままな性格の故、多くの無実の領民や家臣を死刑にし、その首を捨てた過去に由来する。
 ある晩、三枝子は、ボーイフレンドの亨と公園で待ち合わせをしていた。
 だが、亨はなかなか来ず、いつの間にか辺りが深い霧に包まれると、どこからか助けを求める呻き声が聞こえてくる。
 三枝子が声のする方向に向かうと、脳天に釘を打ち込まれた、女性のドクロがあった。
 女性のドクロは釘を抜いてくれるよう涙を流して頼み、三枝子は情にほだされ、釘を抜く。
 だが、ドクロは態度を豹変させ、三枝子の肉を喰わせろと飛びかかってくる。
 その時、亨が到着するものの、様子を見に行って、早速、ドクロの毒牙にかかる。
 三枝子が家にとんで帰ると、両親から雪姫様が泊まりに来ていると聞かされる。
 もう休んでいると言うので、こっそり寝間を覗くと、気品のある美しい女性の寝顔があった。
 何故か安心した三枝子は寝床に就くのだが…」
 怪奇マンガと言うより、「コント」みたいで面白かった作品です。
 女ドクロがヒロインに噛みつこうとするものの、寸前でかわされ、ガチッと虚空を噛むシーンが繰り返され、笑っちゃいました。
 んで、ラストは、女ドクロの怨霊はタクシーに轢かれて、消滅。(理由は不明)
 約60ページの短編なので、冗漫なところが少なく、ストレートな分、長編よりも楽しめると思います。

「鬼火沼の天女」
 貸本をまるまる収録したものだと思いますが、もとの本が見つからず、確認を取れておりません。申し訳ない…。

・備考
 本体歪み。p27の一番上のコマ、「不思議」の「議」の字に黒墨。後ろの遊び紙に名前の書き込みとシール貼り付け。

2018年7月30日 ページ作成・執筆

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