古賀新一
「白衣のドラキュラ」(白枠/1970年1月15日発行)
「白衣のドラキュラ」(黒枠/発行年月日不明)
収録作品
・「白衣のドラキュラ」(1960年代後半に「週刊マーガレット」連載)
「綾子は肺病で入院中の少女。
ある夜、同室の由紀子が病院を脱け出した際に、何者かに襲われ、ミイラのようになって、死んでしまう。
綾子が由紀子の死体に花を供えに地下の死体安置室に降りると、婦長が由紀子の死体を運び出すところを目撃する。
それどころか、婦長と男の医者は、由紀子の死体を箱に詰め、底なし沼に沈めようとしていた。
だが、吸血鬼と化した由紀子は綾子を箱の中に引きずり込み、入れ替わる。
間一髪のところで逃げ出した綾子は、美人女医のユミ先生の屋敷に向かう。
ユミ先生にかくまわれ、安心したのも束の間、綾子は謎の女吸血鬼と由紀子に襲われる。
だが、身に付けていた十字架のネックレスで吸血鬼を撃退。
綾子がユミ先生を探していると、庭にある小屋から異様な音を耳にする。
その小屋には、巨大な花があり、ツタを伸ばして、綾子に襲いかかる。
綾子の身に次々と降りかかる、奇怪な出来事!!
ユミ先生と人喰い花にまつわる、恐ろしい秘密とは…?」
・「妖蛾」
「幸江は、地震の被害にあった青森のおばを見舞って、帰って来る。
以降、幸江の身辺では、気味の悪い模様の蛾やその幼虫を多く目にするようになる。
幸江は蛾を退治しようとするが、夜、大きな目玉の毛むくじゃらな怪物達に無理矢理踊らされて、寝込んでしまう。
怪物達の正体とは…?」
単行本の袖にて、どこか不敵な古賀新一先生の写真の下、「毎度こわがらせてスイマセン。」と余裕たっぷりに述べているように、古賀新一先生がノリにノッていた頃の作品です。
「白衣のドラキュラ」は、吸血鬼だけでなく、死体を丸のみする人喰い花まで暴れていて、なかなか面白かったです。
「妖蛾」も、古賀新一流モンスターがどこかトボけた味わいで、ユニークです。
合本とヒバリ・ヒット・コミックスにて「白衣のドラキュラ」は再録されております。
「妖蛾」はこの単行本と合本でしか読めないようです。
・備考
白枠単行本は貸本使用。糸綴じあり。前の遊び紙の上部に大きな裂けあり。破れやシミあり。カバーを留めたセロテープの変色した痕あり。黒枠単行本はカバーの背表紙上部に破れあり。
2016年12月18日 ページ作成・執筆
2017年6月20日 加筆訂正