杉戸光史「牙少女」(1972年4月20日・1974年2月25日発行)
「F市の真ん中に位置する死神が原。
ここには昔、旅人を襲って喰らう鬼婆がいたとの伝説があり、秋吉台のように鍾乳洞があった。
ある夜、奈保子は死神が原に隕石が落下するのを目撃する。
翌日、ボーイフレンドの萩原義雄と共に見に行くと、隕石の痕跡があった。
二人が痕跡の近くの鍾乳洞に潜ると、そこに犬の食い荒らされた死体が横たわっていた。
その時、横の水たまりに赤い眼をした怪物の姿を奈保子は目にする。
その翌日、奈保子達の中学校に星野美散という美少女が転入してくる。
だが、彼女の正体は、顔が鬼婆で身体が蛇というモンスターであった。
プレイボーイの沢村光男を初めてして、クラスメート達がそのモンスターの毒牙にかかり、奴隷にされてしまう。
そして、モンスターに感づいた奈保子と義雄にも魔手が伸びるのであった。
このモンスターの正体とは…?」
「牙少女」というタイトルですが、ぶっちゃけ、「蛇女」です。
より正確に表現すると、どうやら「悪魔」ってことらしいです。(実のところ、正体についてはよくわからないのです。)
ゲテモノ・ホラーと思って読んでいたら、ラスト、唐突に現れた神が悪魔をひねり潰して、皆が敬虔な気持ちで合掌してチョンというもので、う〜ん、理解不能です。
袖の文章から判断すると、杉戸光史先生は「善と悪の対決」を表現したかった模様ですが、だからって、「蛇女」ものにそんなもん、持ち込むのはどうかと思います。
でも、まあ、後記の文章からすると、どうしても描いてみたいテーマであったらしく、方法論は二の次だったのでしょう…多分。
・備考
カバー小痛みや背表紙の上下に欠損あり。全体的によれ。割れ気味。
2017年3月20日 ページ作成・執筆