五島慎太郎「少女がどろどろ流れる」(発行年月日不明/192ページ)

「小林リカの家族は埼玉の団地に住む、平凡な一家。
 ある日、父親が飛行機事故に巻き込まれ、リカは学校を早退して、空港に急ぐ。
 父の死に悲嘆する母親を追って、トイレに入ったリカであったが、トイレを出ると、そこは空港でなく、デパートであった。
 母親に話しかけるが、母親はリカのことは知らないと行ってしまう。
 それどころか、見知らぬ夫人に「里子」という家出娘と間違われて、連れて行かれそうになる。
 一度は逃げ出すものの、自分の家に戻っても、そこには見知らぬ父と娘がいた。
 追い出されたリカは、見知らぬ夫人と再び会い、とにかくその屋敷に行くことに決める。
 屋敷は、瀬戸内海の島にあるもので、夫人の主人はリカの父親であったが、去年に崖から転落して亡くなったていた。
 また、リカの兄に当たる幸夫は、リカのボーイフレンド、徹治と瓜二つ。
 幸夫は夜、地下室で巨大な機械で何かの実験をしており、実験については固く秘密にしていた。
 そして、屋敷にはある奇怪な出来事が出来していた。
 里子が家出して以来、不気味なモンスターが夫人のもとに現れるようになっていたのだ。
 リカもモンスターと遭遇するが、果たしてモンスターの正体は…?」

 このマンガは二つの点において、そのスジで有名です。
 一つ目は、タイトルのインパクト。これを超えるタイトルはそうそう作れません。
 二つ目は、このマンガには10ページ程度、加筆された単行本(トリップ・バージョンと呼ばれます)がありまして、マジ・レアです。
(プレミア価格の話はあまりしたくないのですが、並の状態であれば、三万円を下らないのでは?)
 私は普通のバージョンしか持ってないので、どうのこうの言えないのですが、とりあえず、マンガの中で「少女はどろどろ流れ」てはいません。
 ストーリーは、パラレル・ワールドを題材としたSF(?)ホラーでして、御都合主義且つ牽強付会の感はあるものの、なかなか面白いです。
 デタラメな科学知識を「読ませる技術」でカバーする…本格的なハード・SFマンガよりも魅力的に感じるのは何故…?(注1)

・注1
 私は昔から「新青年」のファンですので、多分、そのせいです。

・備考
 小口にシミあり。奥付票なし。

2016年3月23日 ページ作成・執筆

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