宮本ひかる「ねずみ少女」(1972年10月25日発行)
「夏休み、滝克芳(たき・かつよし)と妹の真理は、瀬戸内海にある鼠ヶ島へ渡る。
目的は、克芳のペンフレンド、佐竹美也に会うためであった。
島への船中で、真理は奇怪な老婆から、死相が出ていると告げられる。
この老婆は、鼠ヶ島の神社、根の堅州(ねのかたす)神社の神主であり、島では生き神様と崇められていた。
この島では、ネズミは海の向こうにある聖所、根の堅州国から現世に来たとされており、信仰の対象とされる。
美也の家に泊まった最初の夜、寝付けない真理は、克芳と共に、散歩に出かける。
散歩がてら、二人は根の堅州神社に向かい、中に入ってみる。
すると、扉が勝手に閉まり、二人は仕方なくそこで夜を明かすこととなる。
そんな時、真理は、突如、現れたネズミに噛みつかれる。
克芳はネズミを撲殺するが、不思議なことに、朝になると、ネズミの死骸は消えていた。
これがきっかけとなってか、真理は「ねずみ少女」となり、美也を襲う…」
ハイカラな服を来た少女に、巨大ネズミが怒涛の如く、襲いかかるという、インパクト充分なジャケットからして胸躍る「ねずみ少女」。
内容も、宮本ひかる先生の作品の中ではまあまあ面白い方なのではないでしょうか。
まあ、詰まる所、「ネズミに噛まれて、ねずみ少女になる」というストーリーではあるものの、頑張って描いたのであろうネズミの大群の描写や、驚異の変身シーン(画像を参照のこと)といった見所が幾つかあります。
ちなみに、大概の作品に共通しますが、オープニングとエンディングだけ、小難しいことを言って、カッコよく決めているのが、ちょっと…ね…。
・備考
カバーの背表紙上部に破れ。
2019年7月23日 ページ作成・執筆