五島慎太郎「恐怖!死霊パーティー」(1975年5月31日発行)
「内気な娘、キャロルは、ドリームランド完成一周年記念パーティに誘われる。
パーティの最中、余興として、降霊会が催されるが、それは仕組まれた芝居であった。
皆が心霊現象を迷信と笑い飛ばす中、キャロルは霊の存在を堂々と主張。
実は、彼女は霊と交信する能力があった。
パーティの主催者で青年実業家のフランク・キャプアは、キャロルに降霊を要求する。
キャロルは、降霊を行えば不幸になると警告するも、フランクは聞かず、警察署長のサンダース、作家のシャンポーを加えた四人で降霊を行う。
だが、キャロルに降りてきたのは、彼女の支配霊アンヌではなく、大勢の邪悪で怒れる霊達であった。
彼女の口を通して、フランク、サンダース、シャンポーの過去の犯罪が明らかにされていく…」
五島慎太郎先生の怪奇マンガの中で、最高傑作だと思います。(注1)
ストーリーや構成がまずしっかりしておりますし、後半に展開する、怒涛のポルターガイスト現象はスピード感溢れ、ワクワクさせられます。
また、ベトナム戦争でのソンミ村虐殺を取り入れている点も興味深いところです。
オカルトを扱った怪奇マンガには、学術的なことにこだわって、漫画としての面白さを欠いたものがありますが、この作品はエンターテイメントに徹底して、ラストまで突っ走ります。
現在、読んでも、かなり面白いのではないでしょうか。
・注1
レア・アイテムで有名な「少女がどろどろ流れる」(TRIP ver)はいまだに目にしておりませんので、判断を下すにはまだ早いかもしれません。
でも、いつになったら読めるのか、これまたわからない…。
2019年7月24日 ページ作成・執筆